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2代目ジムニー(JA71) ウッドバーニングストーブで自家製ピザを焼く【クルマ×アウトドア 】 スズキ・ジムニー+ウッドバーニングストーブ 薪と炎を自在に操るコツは?

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JA71型ジムニーで出かけよう。今回のテーマは「炎を楽しむ」ウッドバーニングストーブを上手に使ってピザを焼く。
TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

正直、薪はめんどくさい。気難しく、ちょっと気を抜くとすぐに消えてしまう。
子供の頃はお風呂が薪で、お風呂を沸かすのは、僕の仕事で失敗がなかったことが不思議なくらいだ。

だが、薪で調理すると、とても美味しい。単に「自然の中で食べる」というだけではなく、薪の煙に燻されて、香りが付くからだと思う。

炎の用途を軽く分析すると、照明、暖、調理、安らぎ。そんなところだ。だが、それぞれの目的で、炎の扱い方は違ってくる。ゆらゆら燃すか、激しく燃すか。長く燃すか。

今回は調理の炎にチャレンジだ。最初は小さな炎から始めよう。小さいからといって舐めてはいけない。小さいからこそ、いつも気を配らないと、あっという間に消えてしまう。

料理用のバーナーは木材を燃料とするタイプ。ウッドバーニングストーブ、もしくはネイチャーストーブ。

ソロストーブに代表されるウッドバーニングストーブの特徴は、ガソリンやガスのストーブのように、燃料を持参しなくても良いことだ。ストーブだけを持って行き、燃料の小枝は、現地で調達。荷物を減らせる。また、燃料となる乾いた小枝を手に入れる能力があれば、どんなに長く森の中にいようとも、調理に困ることはない。夢のような道具ではある。

ウッドバーニングストーブは単なる筒ではなく、燃料が無駄なく最適に燃焼するように、工夫がされている。ストーブを使わないで、コッヘル等を裸の炎に載せた時よりも、はるかに煤は少ない。樹木を燃料とするので、煤(すす)がまったく付着しないことはないけれど、燃焼効率が高くなっている証拠だと思う。

構造は、筒が2重になっていて、中央で燃焼している木材等から可燃性ガスが発生(裸で燃焼させたら、この可燃製ガスは、大気に戻るだけとなる)し、一方、2重構造の筒の間の空気(酸素)は、熱せられて上昇。上部に開けられた穴から噴出し、可燃性ガスと出会い燃焼する。これが(二次燃焼)バーニングだ。

僕のウッドバーニングストーブは、2000円ほどで購入したものだが、何度か使ううちに、気付いた所を改良してある。まず、パンチング加工された底の部分。一次燃焼、中央の燃料へ空気を供給する穴が小さかったため、穴を大きくした。ステンレスなので奇麗に広げるのは、かなり時間が掛かったが、これで少しは良くなった。次に燃焼した灰が穴を塞いでしまい長時間使うと燃焼しづらくなるので、鉄製のメッシュの板を加工して入れ込み、底を2重にし、1cmほどの空間を作ったので、下に灰が落ちることも少なくなり、空気の道も確保できた。全体にその分、薪の入るスペースは浅くはなるが、それは使う薪を短くすれば良い。また、着火時に使用することの多い、紙や広葉樹の葉は、灰になった時に空気の通り道を塞いでしまう事が多いので、着火後はなるべく使わない方が良いと感じている。
燃料となる小枝は、五徳とコッヘル等との隙間から入れる。小枝が長いかったり太い時は、コッヘル等を持ち上げて投入するのだが、その都度持ち上げるのは面倒でもあり薪が長過ぎたりすると、コッヘルが薪に邪魔されて五徳の上に納まらなくなったりもする。そこで、五徳のをカットして入れやすくした。これもかなり有効で、今は調理中にコッヘルを上げなくなった。別の方法として、付属の五徳の使用はやめて、脚の長い五徳を単独で購入して、使えば、炎の大小に応じて、距離を変えていけるが、その分荷物は増えることになる。

バトニング。ナイフを枝に当ててナイフの金属部分を叩いて割る。持ちやすく、重量のある木を探しておく。枝は細くすればするほど燃えやすいが、投入回数が多くなり忙しくなる。
今回の着火は着火剤を使う。枝にナイフで切れ目を入れて燃えやすくしておく。
この部分に着火剤を垂らす。着火剤は燃焼中に追加はしてはいけない。

さて、燃料となる小枝である。正直、森の中やキャンプ場で、ちょうど良い乾いた枝を手に入れることは、簡単ではない。僕は庭の伐採した枝、(約3年ほど乾燥)を持っていく。これではウッドバーニングストーブの良さを無視しているようだが、1泊2日のキャンプでの食事。燃料を薪で賄う時に小枝が手に入らないのなら、楽しむどころか、本末転倒だからだ。人に見せるわけではないが、自分にとってちょうど良い環境を作って楽しむことは、アウトドアを長く続けるコツではないかと思う。

長い方がスタート時。短い方は調理時に使用する。

クルマにスペースがあるのなら、帰りに小枝を持ち帰り、ベランダで干しておこう。次のキャンプはそれを持って出掛ければよい。奇麗に整理されたベランダも魅力的ではあるけれど、時の流れで朽ち果てていく小枝の姿も、それはそれで見ている価値はあると思う。

YouTubeが世に出始めた頃、焚き火が永遠と流れている動画が話題になった。それを観た人の感想はふたつに分かれた。ひとつは「癒されるね」。もうひとつは「何だこれ、こんなので良いの?」だった。今、キャンプ場では焚き火台で炎を楽しむ人やテントの中へ薪ストーブを入れ込み暖を取りながらの冬を楽しむ人が多くなった。道具も進化して炎の扱いは簡単になった。

でもこれは火だ。小さな火は人の生活を豊かにしてきた。最も大きな火、それは原子力かもしれない。僕はこれに反対と言うわけではないが生物にとっての可否はわからない。ただ、小さな火、大きな火、どんな大きさの炎と言えども、コントロール出来ない炎は使うべきではないとう考えだ。だが、原子力も将来的にコントロール出来る可能性はあるので、研究は止めるべきではないと思う。

着火方法はファイヤースターター、ライター、マッチ等。手間が掛かるが火起こしの楽しみもある。簡単に済ませたいのなら、ガストーチを使うのが良い。
ウッドバーニングストーブに着火用の枝を入れ込む。投入口は入れやすいようにカットしてある。
使い方は人それぞれだとは思うが、僕は最初に出来るだけ強い火を作る。ストーブそのものも熱を持った方が、バーニング現象が起こりやすい。

焚き火に代表される炎を楽しむ時は、跡を残さないことも大切だ。「次に来る人への気遣い」「自然界の生物に与える影響を少なく」このふたつは重要だ。僕は、金属製の長いテーブルをペグで固定し、その上にレンガを置く。ストーブの下には、お菓子の蓋(薪の入れ物としても使用)を敷いて灰の拡散を少なくしている。

今回の場所は河原の先端で、SUVでは入り込むのはかなり気を使う場所である。にもかかわらず煙草の吸い殻は落ちているし、焚き火のかまどの跡もある。これが続けば、立ち入り禁止にもなりかねない。煙草のフィルターが海まで運ばれ、ゴミが生物に影響を及ぼす。母校の教えは「来た時よりも、美しく」だ。出来る限りゴミを拾うのも、帰宅の準備のマナーだと、肝に銘じている。
 

炎が収まり燠火(おきび)ができたら調理開始だ。ここからはちょうど良い炎を作ることに気を配る。僕は短めにカットした枝をストーブの底に平均的に入れ込むようにしている。

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