新型ルノー・ルーテシア | いきなりBセグハッチバックの「優等生」 この一台ですべてこなせる
- 2020/11/14
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MotorFan編集部 鈴木慎一

ルノーのBセグハッチバック、ルーテシアが日本でもデビューした。前型ルーテシアが「R.S.」やルノースポーツの印象が強かったが、新型はどうだろうか? プラットフォームもエンジンもトランスミッションも一新したルーテシアを500kmほど試乗した。

編集部のあるビルの地下駐車場で対面したときに、「お、クリオ、立派になったな、大きくなったな」と思った。しかし、実際は前型より小さくなっている。
新型ルーテシア
全長×全幅×全高:4075mm×1725mm×1470mm
ホイールベース:2585mm
前型ルーテシア
全長×全幅×全高:4095mm×1750mm×1445mm
ホイールベース:2600mm
明らかに質感が上がっていることと、デザイン的にも落ち着いたテイストだからそう感じたのだろう。たとえば、サイドパネルとルーフのつなぎ目はレーザーブレージングで接合されているから、いわゆるモヒカン接合と違って、無粋なモールがない。

新型はプラットフォームもエンジンもトランミッションも一新している。
まずはプラットフォームだ。新型からルノー・日産・三菱のモジュラープラットフォームCFM-Bを使う。おかげで軽量に仕上がったという(実際、前型より軽い)。
エンジンは、H5H型1.3ℓ直4DOCH直噴ターボを搭載する。前型は0.9ℓ直3ターボ、1.2ℓ直4ターボとルノースポールモデルの1.6ℓ直4ターボだった。
Bセグのライバルたちの多くが3気筒エンジンを載せるのに対してルノーは4気筒を選んだ。この4気筒は、ダイムラー(メルセデス・ベンツ)とルノーが共同開発したもので、メルセデス・ベンツではM282型を名乗る。最大の特徴は「デルタシリンダーヘッド」と称する側方視で三角形のシリンダーヘッドは、カムシャフト/バルブトレーンの動きと機械的配置をゼロから見直すことで発案された非常にユニークなものだ。131ps/240Nmは1200kgの車重に対して充分だ。


とスペックの確認は事前にしていたので、早速乗り込んでみる。

たっぷりとしたシート、豪華ではないけれど明るくて常識的なインテリア、まぁまぁ丸いステアリングホイール。シートの座り心地もいい。175cmの標準体型の筆者がドライビングポジションを取ったのち、後席に座ってみる。前席との間にはこぶし1個は入らないが4cmほどの隙間ができる。ルーフをボディ後端まで伸ばしていることもあって、後席はBセグハッチバックとしては充分な広さだ。
さて、走りだそう。
ルノーは2ペダル・トランスミッションにDCTを多用する。トランスミッションとしての伝達効率の高さとダイレクト感がDCTの美点だが、低速域、あるいは走り出しがギクシャクしがちという弱点もある。乾式DCTはそれが顕著にでる傾向があるのだが、新型は湿式だ。これなら、と思って走り出した。
が、やっぱりギクシャク、というか走り出しに滑らかさが足りない。たとえば、信号待ちでエンジンがアイドルストップから再始動ーギヤが1速に入って走りだすという一連の動きがドライバーの思うよりワンテンポ遅いのだ。これがトルコンATならもっと滑らかなのは明らか。
とはいえ、走り出してしまえば、この7速DCTはとても気持ちよく変速してくれる。7速100km/h巡航時のエンジン回転数はメーター読みで1950rpm(2000rpmにはならない)。つまり、街中の渋滞、あるいは信号ばかりある都内の走行よりも、信号が少ない郊外路、ワインディング、高速道路が得意ということになる。
湿式DCTなのにどうしてこういう振る舞いになるのか? ルノージャポンの担当者に伺うと、エミッション対策が進んでからこういう傾向が出てきた、という。
フランス車というと、しなやかなサスペンション、優しい乗り心地と思い浮かべるが、新型ルーテシアはいい意味でフランス車っぽくない。これは先進運転支援技術をBセグハッチバックにも入れていこうとすると、どうしてもクルマの動きを固めていかないとまずいから、らしい。つまり「ふんわり」な脚周りでは最新のADASはうまく機能しないということなのだ。
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