ともに新型 プジョー208 vs ルノー・ルーテシア 今度のフレンチBセグ・ハッチバックはどちらも出来がいい。比較してみよう
- 2020/11/15
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MotorFan編集部 鈴木慎一
プジョー208とルノー・ルーテシア(欧州名クリオ)は、フランスを、いや欧州を代表するBセグハッチバックである。ともに2019年に発表されている。2020年秋にいよいよ日本導入が始まった両モデルを比較してみよう。
技術基盤ははどちらも最新モジュラープラットフォーム
新型プジョー208も新型ルノー・ルーテシア(欧州名:クリオ)は、ともに2019年のジュネーブ・モーターショーでワールドプレミアされた。5ドアハッチバックからSUV/クロスオーバーへとベーシックカーの主役が変わりつつある現代だが、それでも欧州でベストセリングモデルはBセグハッチバックである。その主役の2台が同時にモデルチェンジしたわけだ。
注目すべきは208もルーテシアも、プラットフォームから刷新されたこと。
ルーテシア:CMF-B
208:CMP
という名前のモジュラー・プラットフォームである。ともにEVを考えた最新のプラットフォームである。
この2台の最新フレンチBセグHBに続けて試乗することができた。その印象と交えて比較してみよう。
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ボディサイズを比較してみる
ボディサイズは
ルノー・ルーテシア
全長×全幅×全高:4075mm×1725mm×1470mm
ホイールベース:2585mm
プジョー208
全長×全幅×全高:4095mm×1745mm×1465mm
ホイールベース:2540mm
と208の方が少し大きい。が、ホイールベースはルーテシアの方が45mmも長い。
サイドビューを見ると、この2台の方向性の違いが見てとれる。ルーテシアは、かつてのCセグHBが担っていた1台ですべてをこなすベーシックカーの役割を果たすためのパッケージング。一方の208はよりスタイリッシュでパーソナルな、つまり前席重視のパッケージングに見える。その分、208のほうがわかりやすくカッコいいし個性的だ。前型からの変わり具合も208の方が大きい。
最小回転半径はルーテシアが5.2m、208が5.4mとルーテシアの方が小回りがきく。
エンジンはルーテシアが4気筒、208が3気筒
ルノー・ルーテシア 1.3ℓ直4DOHCターボ
プジョー208 1.2ℓ直3DOHCターボ
エンジンはルーテシアが1.3ℓ直4、208が1.2ℓ直3でともに直噴ターボエンジンだ。
ルーテシアが131ps/240Nm
208が100ps/205Nm
である。
パワーウェイトレシオ〔車重を最高出力で割ったもの)は
ルーテシアが9.16kg/ps
208が11.7kg/ps
トルクウェイトレシオ(車重を最大トルクで割ったもの)は
ルーテシアが5kg/Nm
208が5.7kg/Nm
で、ともにルーテシアの方が優秀な数値となる。
とはいえ、208の直3ターボは非常に気持ちのよいエンジンだ。3気筒のネガをいっさい感じさせることはない。いやな振動も一切ない。
ルーテシアの1.3ℓ直4エンジンはダイムラー(メルセデス・ベンツ)との共同開発で生まれたもの。メルセデス・ベンツAクラスにも同型(メルセデスはM282型と呼ぶ)が載っている。最新技術が詰まったエンジンである。
トランスミッションはATとDCT
トランスミッションも両モデルで大きく違う。
ルーテシアはDCT、208は通常のトルコンATを使う。
ルノーが使うDCTはゲトラグ製がベースだろう。DCTには乾式デュアルクラッチと湿式デュアルクラッチがある。伝達効率では乾式に、ドライバビリティでは湿式に分がある。新型ルーテシアは湿式を採用している。
プジョー(PSA)は、アイシン・エィ・ダブリュのATを使う。エンジンの出力から考えれば6速で充分だがPSAは積極的に8速ATを採用する。208も8速だ。
100km/h巡航時のエンジン回転数はメーター読みで
ルーテシア:7速で1950rpm
208:7速で2200rpm
だった。208は100km/hではなかなか8速に入らない。8速に入るのは110km/hくらいだ。
モード燃費は
ルーテシア インテンステックパック
WLTCモード 17.0km/ℓ
市街地モード12.7km/ℓ
郊外モード:17.2km/ℓ
高速道路:19.8km/ℓ
208 GT-Line
WLTCモード 17.0km/ℓ
市街地モード13.0km/ℓ
郊外モード:17.3km/ℓ
高速道路:19.3km/ℓ
である。
試乗時の燃費は
ルーテシア:17.2km/ℓ
208が14.0km/ℓ
だった。
走行条件が違うが、燃費はルーテシアの方が若干良さそうだ。その代わりドライバビリティは208の方が優れる。
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