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なぜいま「直6」なのか? マツダが縦置き直列6気筒エンジンを開発する理由 次期トヨタ・クラウンはマツダの縦置きを使う!?

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それと見栄え。運転席/助手席ドアの前側オープニングラインから前軸中心までの距離を、デザイナー諸氏はプレミアムレングスと呼ぶ。FFの場合、エンジン縦置きだろうが横置きだろうが、ドアのすぐ前に前輪が位置する。後輪駆動車と比べて見劣りがするのは、この部分だ。ヘッドライトをぐるっと側面までラウンドさせる手法がいまや当たり前で、これによってオーバーハングは短く見える。しかし、そこはごまかせても、前輪の後方からフロントドアに至る部分の伸びやかさは、前輪駆動車には望むべくもない。

2013年発売のアストンマーティンV12ヴァンテージS。ドライバーの着座位置はホイールベース中央よりやや後ろ寄りになる。ドアの前側オープニングから前軸中心までの距離、いわゆるプレミアムレングスが長い。サイドビューのかっこよさのポイントはそこだ。
エンジン横置きFFであるマツダ6のプレミアムレングス
エンジン縦置きFRであるBMW3シリーズのプレミアムレングス

さて、いずれデビューするマツダの直6エンジンはガソリンとディーゼルの二本立てだ。縦置きの直4もあり、そちらはHEV(ハイブリッド車)である。マツダは2年前、得意のRE(ロータリーエンジン)を発電に使う電動車用ユニットの構想を明らかにしているが、そのパワートレーンの写真も先ごろ公開された。低解像度の写真のためよくわからないが、とりあえずREと電動モーターを合体させたパワートレーンである。それとは別にPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)と48VのマイルドHEVも開発中だ。

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ここから先はまったく個人的な予測に過ぎないが、トヨタが次世代の「クラウン」をどうするのか考えるとき、クラウンとレクサスISをセットでマツダのエンジン縦置きアーキテクチャーに合流させるという可能性が思い浮かぶ。クラウンはカムリより大きなFFセダンになるのではなく、車名が消滅するのでもなく、FFRセダンとして残る。当然、マツダの直6がそこに載る。

マツダが縦置きエンジンでまず投入するのはSUVだろう。その縦置きアーキテクチャーは次期マツダ6(アテンザ)も採用する。ショーカーとしてはFRクーペを訴求していたが、クーペが登場するとしてもSUVとセダンの後だろう。

直6エンジンは、現在のエンジン生産設備で直4と混流生産される。この点は以前、マツダの役員氏が明言した。汎用工作機械だけで構成した現在の直4エンジンブロックの切削加工工程に直6も投入し、エンジンの組み立ても直4と直6は混流。おそらく縦置きシリーズにも、マツダ流「ほぼ重力鋳造」の砂型を使ったシリンダーヘッド鋳造が行なわれるのだろう。そしてトヨタ向け直6もマツダ製になる?

公表された1枚の写真をもとに、想像力を目一杯働かせながら状況証拠と重ね合わせれば、マツダの縦置きアーキテクチャーにはこのような構想があるのではいかと思えてくる。

以前、筆者はトヨタが大幅マイナーチェンジでレクサスISを延命したとき、次期モデルはマツダと合流ではないかとこのMotor-Fan-Webで書いた。クラウンは2018年に新しいGA-Lプラットフォームに切り替わってデビューしたのに、なぜレクサスISはそうしなかったのか、と。次期ISがGA-Lプラットフォームを使うのであれば、大規模マイナーチェンジにお金をかけるよりフルモデルチェンジ前倒しではないか、と。

現行クラウンが2025年、あるいは2026年ごろまで生産され、次期モデルがマツダのエンジン縦置きラージプラットフォームに合流するのであれば、タイミングとしても妥当だ。マツダが最初に作るのは、直6HEVでAWD=オール・ホイール・ドライブのラージサイズSUV。これは2022年だろうか。セダン系は2023年?……勝手な妄想はどんどん膨らむ。

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