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レクサスLC500コンバーチブル 国産最強の大排気量NAエンジンを積む優雅さが魅力。走りもFRスポーツとして磨き込んだ

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走りは期待以上に良かった。5.0ℓV8自然吸気エンジンのみのラインアップとなるが、始動時のサウンドは同じエンジンを積むRC F同様リズムカルで腹に響く重厚さを与えるものの、すぐにトーンダウンさせて上質さを演出。屋根を開けていても耳障りになることなく、パワフルさと質感にこだわっていることがわかる。

外に出てひと吹かししてみても密度のあるパワーフィールによって低回転域を小さく刻みながら加速。10ATは小さなパワー領域を上手にリレーさせていきながら速度を上げていく。パワーがさらに増した回転域でも、シフトアップの波は変化が少なく、エンジン振動の小ささと相まって、加速時の滑らかさは従来以上に進化した。

車両ウインドデフレクターとともに主に高速走行時の車内への風の巻き込みを防止するウインドスクリーンは13万2000円のオプション。

エンジンやミッションからの振動を感じにくいのは、ただ単に固体の動きを抑制しているばかりでなく、ボディを含めて一体感をもったNVH対策が施されているためだろう。これはトップを下ろしたオープン状態でワインディングなどでクルージングを行なったときに特に感じられることで、コンバーチブルモデルとして基本から作り込んだからに違いない。

タイヤはミシュラン パイロットスーパースポーツを履く。 サイズはF245/45RF20 R275/40RF20
フロントが対向6ポッドキャリパー、リヤは対向4ポッドキャリパー
サスペンションは前後ともマルチリンク式。写真はリヤサスペンション。
フロントサスペンション。なかなかごついアルミ製アーム類が見える。

逆にクローズド状態では3枚の布素材と1枚の遮音材を組み合わせた4層構造のトップの採用によって、ソフトトップであることを気にせずドライブできることにレクサスブランドならではの質感を与える一方、ハンドリング面や乗り心地面においては、オープン状態の方が屋根ん閉めているときよりもバランスが良く感じられた。

ルーフを動かす油圧ポンプユニットは二重構造で遮音されているので、作動中もうるさくない。
開閉時間約15秒。価格はクーペのLC500のL package(1350万円)から150万円高。

フロアやボディエンドモデルの当て板やクロスバーの追加、構造接着剤の延長等によって、オープンボディありきのボディ骨格の強化を徹底して行なったことで、ブランニューモデルといえるほどの乗り味となっている。

フロントロワーアームのアルミ化や減衰力の見直しなどの効果もあり、足元の動き始めや減衰に遅れが出ないことでボディに無駄な動きを伝達しないし、フロア強化によって前後左右方向の揺り返しも少ない。屋根を開けていても高Gまで素直にライントレースできて、ステアリングが左右に動くことも少ないから、いかに正確に足元が動いているかが理解できる。

トップを上げればクーペに匹敵する耐候性を持つ。燃費:WLTCモード8.0km/ℓ  市街地モード:4.7km/ℓ  郊外モード:8.5km/ℓ  高速道路モード:10.9km/ℓ

もっとも直進時や旋回安定状態に入ってからは、リヤの太いタイヤが路面の影響を受けてしまうのかボディが進行方向にやや揺れるのは唯一気になるポイント。これはクーペでは改善されていたと思ったが、コンバーチブルではフロアが一層強化されたために、やや後輪が反応しやすくなったと思われる。

もはや貴重とも言える5.0ℓV8自然吸気エンジン。エンジン供給はD-4S(PFI+DI)を使う。

エンジンはひと吹かしすればノーマルモードでもレッドゾーン直前の6800rpmまで谷間なく凝縮されたパワーが積み上げられ、5.0ℓの重さは感じない。直線的でその傾向はRC Fなどと同様の鋭さを持つ。LC500コンバーチブルは、パワースペック的には477psとパワーアップしたRCF(最高出力481ps)に対して4psの差があるが、最大トルクは540Nmとわずかに上回る(RC Fは535Nm)。密度のあるパワー感はこのスペックの差に生かされているに違いない。車重もクーペに対して100kg増となるものの、重さを感じることは無い。

5.0ℓV8という大きなエンジンだが、長いエンジンルームの奥に載っているのがわかる。
V8をイメージさせるエンジンカバーがこちら。
裏側はこうなっている。
エンジン 形式:5.0ℓV型8気筒DOHC 型式:2UR-GSE型 排気量:4968cc ボア×ストローク:94.0mm×89.5mm 圧縮比:- 最高出力:477ps(351kW)/7100pm 最大トルク:540Nm/4800rpm 燃料:プレミアム 燃料タンク:82ℓ

国産最強の自然吸気エンジンの搭載によってスポーツモデル並みの刺激的な走りを楽しめる秘めた性能を得ながら、街乗りでは上質なパワーフィールを確保し、オープンボディでは爽快さに加えて快適な走りをも手に入れたLCコンバーチブルは、レクサスが日本で歩んできた15年を超える歴史の集大成と言っていい。従来あまり高く評価できなかったTNGA技術のFR系シャシー、GA-Lの進化としても大きな分岐点に違いない。

今回の試乗では高速道路を流したときは、11.1km/ℓだった。トータルでは7.1km/ℓだった。
これからのGA-Lシャシーのモデルラインアップに期待するとともに、レクサスの大きな飛躍がこれからの楽しみ。5.0ℓV8ユニットは燃費や環境性能に関してみるともはや限界だろう。コンバーチブルの追加などプレミアムモデルを充実させることと同様に、今後はBMWやメルセデスのようにパワーユニットの選択肢が増えることにも大いに期待したい。

レクサスLC500 Convertible
全長×全幅×全高:4770mm×1920mm×1350mm
ホイールベース:2870mm
車重:2050kg
サスペンション:F&Rマルチリンク式
駆動方式:FR
エンジン
形式:5.0ℓV型8気筒DOHC
型式:2UR-GSE型
排気量:4968cc
ボア×ストローク:94.0mm×89.5mm
圧縮比:-
最高出力:477ps(351kW)/7100pm
最大トルク:540Nm/4800rpm
燃料:プレミアム
燃料タンク:82ℓ

燃費:WLTCモード8.0km/ℓ
 市街地モード:4.7km/ℓ
 郊外モード:8.5km/ℓ
 高速道路モード:10.9km/ℓ
トランスミッション:10速AT
車両本体価格:1500万円

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