リエゾン中にまさかの交通事故により7000ユーロの罰金処分!WRC第3戦クロアチアラリー優勝のオジエ WRC第3戦クロアチアラリー優勝のセバスチャン・オジエ。実はリタイアぎりぎりの大ピンチに遭遇していた!
- 2021/04/27
-
MotorFan編集部
4月22日~25日まで、クロアチアの首都ザグレブ近郊で行われたWRC第3戦クロアチアラリーは、Toyota GAZOO Racingが1-2フィニッシュ、勝田貴元選手が2つのSSでトップタイムを記録して6位入賞するなど盛り上がりを見せたが、実はギリギリの場面も・・・
Toyota GAZOO Racingのセバスチャン・オジェ選手による大逆転劇となったWRC第3戦クロアチアラリー。2位となったエルフィン・エヴァンス選手を0.6秒差で逆転するという歴史的な接戦だった。
そんな快挙の裏側で、優勝したオジェ選手は最終日の朝、SS17に向かうリエゾン区間(競技区間への移動中)で、なんと一般車両との接触事故に遭遇していたというのだ。
FIAから発表となったブルテンの情報を整理すると・・・
最終日の日曜朝、サービスパークを出発したオジェ選手は、クルマにおける何か(具体的には不明)をチェックすべきことに気が付いた。そのときには中央車線を走っていたオジェ選手だったが、右前方にバス停を見つけたので停止しようと車線変更を行った。そのとき、その車線を走る別のクルマが背後からスピードを上げて接近してきたとともに、オジェの乗る1号車の右サイドに衝突してしまったのだ。
事故直後、オジェ選手はクルマを止め、双方にけが人がいないことをチェックし、相手のドライバーと連絡先を交換した。そして、警察が現場に到着すると、彼らはまったく英語を話せなかったということもあってか、チームメンバーは現場で事故処理を行うように要求されたという。
TOYOTA GAZOO Racingのチームスタッフであるレーティネン氏が現場に到着したときは、ラリーコントロール(ラリー本部)と警察が電話をしているときだった。オジェ選手によれば、ラリーの継続が確認されたように見えたが、車両の前に立っていた警官にはその情報が伝わっていなかったらしい。オジェ選手らはすべての情報を伝え、チーム代表も現場にいたことから、オジェはその場を去って良いと考えてしまったのだ。
この「車両の前で警察官が現場検証を行っていたにもかかわらず、オジエが現場から立ち去った」という行為が、審議の対象となったわけだ。
オジェ選手は、こうした行為を起こすべきではなかったこと、また、ソーシャルメディアで広まっている映像に見るようなことは非常に悪い振る舞いであることを理解していると付け加えた。
事情聴取の結果、FIAのスチュワードは、今回の交通事故はレギュレーション違反ではないと結論づけた。一方で、オジエ選手の行為は受け入れられるものではなく、車両で警官を追いやるという安全ではない状況をオジエ選手は引き起こしたことは、モータースポーツの利益を損なうものであるとした。
これにより、オジエ選手には5000ユーロの罰金を科すとともに、WRC1イベントの出場停止(執行猶予付き)とすることを決定。また、オジエ本人の供述によれば、事故現場から立ち去るときに事故のショックから信号無視を起こしており、これに対しても2000ユーロの罰金を科されている。合計7000ユーロの罰金となった。
同時に、チームには訓戒処分が下されることになった。
まずは事故に遭遇した双方に怪我がなかったこと、そして車両の右側のドアが大きく破損したものの競技の続行が可能だっただけでなく、大逆転劇を演じるコンディションを保てたことは幸いだったと言える。
事故は不運だったが、図らずもGRヤリスWRカーの屈強なボディを証明することにもなったわけだ。
ラリージャパンでもリエゾンを走るWRカーに遭遇&並走できる⁉
そもそもラリーは一般公道を主に使用したタイムアタック競技だ。競技区間と競技区間をつなぐルートのことをリエゾンと呼び、この区間もラリー車は交通法規に則って走行する。したがって、ラリー車両にはナンバープレートが装着されているし、自動車保険にも加入しなければラリーには参加できない。
日本では11月11日~14日に愛知・岐阜でラリージャパンが11年ぶりに開催されるわけだが、こうした事故が起きないことを祈りたい。また、リエゾン中のラリーカーに遭遇した際は、無闇に沿道から車両に向かって手をだしたり、クルマで並走可能な場面には興奮のあまり追突したりしないよう、十分に気を付けて応援してほしい!
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー