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戦前は不利といわれたGRヤリスの勝因を分析する! 全日本ラリー初優勝 WRCで絶好調のトヨタGRヤリスが全日本ラリーでも歴史的初勝利!! その勝因は?

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今季初のグラベルラリーで歓喜の初優勝を遂げた勝田範彦/木村裕介組

全日本ラリー選手権第7戦「ARKラリー・カムイ」で、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介組がトヨタGRヤリスの全日本ラリー初優勝を導いた。ラリー前の予想では、熟成のスバルWRX勢や今シーズン特別な速さを見せているシュコダ・ファビア勢に対し、初めてのグラベルラリーではGRヤリスは不利であろうという意見が多かった。それを覆した理由を検証した。(写真/レポート:廣本泉)

全日本ラリー選手権第7戦「ARKラリー・カムイ」が7月2日~4日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催された。既報のとおり、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦選手/木村裕介選手が今季初のグラベル戦を制し、トヨタGRヤリスでの歴史的初優勝をとげた。

今シーズンから全日本ラリーデビューとなったGRヤリスは、第3戦のツール・ド・九州でヌタハララリーチームの奴田原文雄選手/東駿吾選手が3位で表彰台を獲得したほか、第5戦のラリー丹後では勝田選手/木村選手が2位、第6戦のモントレーでも勝田選手/木村選手が3位入賞を果たすなど、ここまでのターマック4連戦で噂に違わぬパフォーマンスを披露してきた。エンジン排気量は1600ccながら抜群の軽さを誇るだけに、すでにターマックにおいてGRヤリスは同じ国内規定モデルのスバルWRXを凌駕しつつあるのだが、その一方でグラベルでは不利と言われてきた。

4WDシステムを持つとはいえ、前輪駆動の傾向が強いGRヤリスは同じグラベル路面を舞台にした全日本ダートトライアル選手権で苦戦の展開を強いられている。それだけに、ラリーシーンにおいても、GRヤリスはグラベル戦においては熟成を極めた4WDシステムを持つスバルWRXに対してトラクション性能が低いと言われてきた。そうしたなか、ラリー・カムイでは勝田選手/木村選手が計6回のSSウインを獲得した。

そのスピードはスバルWRXを武器に2位に惜敗したアライモータースポーツの新井敏弘選手に「最後のSS12はこれ以上ないぐらいに攻めたけど勝田選手が速かった。マシンの調子は良かったので完全に走り負けた状態」と言わしめるほどのレベルにあり、新井選手は「GRヤリスはターマックで速いけれど、グラベルではそれ以上に脅威になるかも」と付け加えていたが、なぜグラベルで不利と言われてきたGRヤリスが優勝できたのか?

勝因の一つはサービスでの適格なエンジニアリング

その最大の理由は当然、勝田選手/木村選手の実力にあるが、ハード面においては車両重量が大きく影響したことは間違いない。GRヤリスの武器と言われるライトウェイトがグラベルでも効果を発揮。たしかに、懸念材料のひとつとなっていたトラクション性能に関しては、やはり、スバルWRXに分があるようで、勝田選手もレグ1のファーストループを終えた段階では「GRヤリスではスバルWRXのような走り方ができないので別のアプローチの仕方が必要」と語るように手探りのドライビングを強いられていた。

しかし、レグ1のセカンドループでは「ようやくGRヤリスの走り方がわかってきた」と語ったように、勝田選手は軽さを生かしたドライビングを実践することで猛追を開始。ブレーキングやライン取りなど軽さを活かした走りを行うことによって、トラクションの性能不足を補っていたのである。

また、GRヤリスの勝因を語る時に欠かせない要素となるのが、TOYOTA GAZOO Racingのエンジニアリングにほかならない。2位の新井選手は「トヨタは専門のエンジニアが来て、その場でデータ解析とセッティングの変更を行っているから、サービスごとに勝田選手のクルマが速くなっていく印象だった」と証言している。その言葉どおり、TOYOTA GAZOO RacingはWRCと同様に全日本ラリー選手権にもエンジンやデフなど専門のエンジニアがチームに帯同。勝田選手のフィードバックと走行データをもとにピンポイントのセッティングを行なっていたこともGRヤリスの強さの秘密と言えるだろう。

8月の横手ラリー、9月のラリー北海道とグラベル戦が続くうえ、イベントの特性も異なることから、ラリー・カムイで幕を開けたグラベル3連戦は各チームにとって対応能力が求められるが、充実した体制を持つだけにTOYOTA GAZOO Racingが主導権を握るに違いない。

もちろん、車両重量が軽く、ロングストロークのサスペンションを武器に圧倒的な走破性を持つことシュコダ・ファビアR5も抜群のパフォーマンスを誇る。それゆえに、THREE FIVE MOTORSPORTの福永修選手/齊田美早子選手、クスコレーシングの柳澤宏至選手/保井隆宏選手らがR5車両でのグラベル走行に適応してくれば、ファビア勢も上位争いを左右するに違いない。さらに熟成を極めるスバルWRXで戦うスバル勢については、グラベルを得意とする新井選手/田中直哉選手、ittzラリー チームの鎌田卓麻選手/松本優一選手らもトップ争いを左右することになるだろう。

「同じグラベルでもストップ&ゴーの横手ラリーよりハイスピードのラリー北海道のほうがGRヤリスには合っているような気がします」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racingのチーフメカニック、宮本昌司氏だが、グラベル連戦の初戦を制したGRヤリスがこのままグラベル戦で連勝を飾るのか? それともスバル勢やシュコダ勢が待ったをかけるのか? タイトル争いにも影響するだけに今後の動向に注目したい。

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