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2代目ジムニー(JA71)にカヤック(クレッパー・アエリウス)を積んで湖へ【クルマ×アウトドア 】 スズキ・ジムニー+カヤック カヤックを漕ぎ出す時のわくわく感は特別だ

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JA71型ジムニーで出かけよう。カヤック(クレッパー・アエリウス)を積み込んで湖へ。ジムニーとクレッパーで出掛ける。この組み合わせは開放感そのものだ。ランチは特製カレーです。
TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

子どもの頃、窓、玄関ドアを開けて、初めて外を見た時を憶えている? そこには無限に広がっていく世界があり、風が吹き、太陽が燦々と輝いていた。好奇心は高まり、遠くへ遠くへと思い、心だけが旅に出て行く。自転車を手に入れ、バイクを手に入れ、そしてクルマを手に入れる。小さな世界は大きく広がり、いつの間にか世界を手にしたような気がして、「移動する楽しさ」を苦に思ったりしてしまう。国際線の飛行機の中、いつの間にか窓の外を眺めるのをやめ、身体を休める事に専念する。窓の外には広大なシベリアの大地が、うねり、そして凍り付いた大河が輝いていると言うのに。

ひとつの思いとして、僕には舟に対する憧れがある。海からほど遠い所で生まれた事もあるのだろう、目の前にある川を自由に動き回れる舟が欲しい。お年玉でおもちゃのビニール製のボートを手に入れた。仲の良い友人と正月の3が日に漕ぎ出し、そしてひとりが川に落ちた。川を下ると、岩に擦れて、お年玉はあっという間に泡と消えた。

約30年ほど前のクレッパー・アエリウスの木製フレーム。ドイツ製。カヤックのロールスロイスと呼ばれ、ベーリング海を渡ったカヤックとして有名。え?ベーリング海ってどこよ?ですけれど。わかりやすいように、リブはすべて組んである。前後を別々に船体布に入れ込み組み上げる。

人の力で進む舟を分類してみよう。まず、進行方向に背中を向けて漕ぐ舟がボート。進行方向を向いてパドルするのがカヌーと考えて良いと思う。そのカヌーの種類も多く、海や川用、競技用と、また、新素材を使った物等と多種に分類されている。

カヤックを組み終えて出港の準備。パトルが2組有るのは、ソロで乗る時はスペア。タンデムなら、前の人に合わせてパドルを使う。タンデムの場合はパドルを落とした場合、もうひとりのパドリングでカヤックを寄せて回収する。

このクレッパー・アエリウス(以下クレッパー)はカヌー→カヤック→ホールディングカヤックに分類される。ホールディングとは組み立て式と考えてよい。フレームを組み、船体布と言われるスキンを被せる。利点としては、小さくなり、クルマの内部に積む事が出来る。クレッパーを組むスピードは僕は約25分。クレッパー社が行なったコンテストでは、最短17分程度で組み終わった人もいる。クレッパーはドイツの会社だが、日本にもホールディングカヤックを、製造販売している会社はある。代表的なメーカーは、フジタカヌー、アウトドアのモンベルもアルフェックと言うモデルを販売、各社、ソロやタンデム等を数種類販売している。

カヤック前方に富士山が顔を見せてくれる。ゆっくりと湖の奥まで入り込む。
右に富士山が噴火した時のごつごつした溶岩が見える。富士五湖のなかでも精進湖が一番良く溶岩が見える湖ではないかな。カヤックを近づけると、鹿がこっちを見て驚いて逃げていった。見える範囲、誰一人、人はいない。

カヤックの素晴らしさは、動力船に比べて制約があまりないことだ。モーター式、エンジン式の船外機を使う動力船は、地域にもよるが、かなり制約を受ける。つまり勝手に持ち込めない湖が多い。簡単に言うと、どんなに小さくても船外機を付けたら、それは原動機付自転車のようなもので、公園内を走れない等、決めごとがある。反面、カヤックは歩行者に近いと言ったら、わかりやすいのではないかと思う。当然ながら、カヤックも歩行者も規制があることは、忘れてはならない。舟を出す場所へ向かう前の事前の調べが必要である。

過去の写真より。猪苗代湖に隣接する鬼沼と言う所。舟で来なければ、ここから写真は撮れない。遠方に会津磐梯山。

カヤックを漕ぎ出す時のわくわく感はどんなに小さな湖でも特別だ。僕は初めて写真の仕事を受けて、撮影に出掛けていった時に似ているといつも思う。これから新しい世界が開けていく、そんな感じだ。沖に出て行くと、ほとんど音はしなくなり、カヤックを打つ波の音、ただそれだけだ。眼下には何処までも冷たく続くような水の世界。そして風や波の影響で、ドリフトしているように、浮遊している自由感。湖面は波模様になり、また鏡となる。そう、風のない湖面は大きな鏡で、ただ上に浮いている、僕一人と小さな舟。

撮影当日は天気が悪く、なぁんだこんな感じなのかと思われてしまうので、過去の猪苗代湖の写真を足します。静かに、ただカヤックが水を切っていく音がするだけ。
携帯するリペア用品等。一番奥は水を排出するバルジポンプ。手前は破損した船体布のリペア用品。今までは別にガムテープを持参していたが、このコンパクトなアウトドアテープが加わる。すべての外遊びにお勧めだ。破損した場所に貼ればその日一日は楽に浸水を防いでくれるだろう。もちろんライフジャケットは必要。

実はジムニー(JA71)でクレッパーと出掛けるのは今回が初めてである。助手席に長めのフレームパーツが入ったバックが丁度入り、固定にはシートベルトを使う。船体布は荷室の約3/4を占めるが、コンパクトなアウトドア用品を選べば、テント数泊を考えても、なんとか荷物は収まりそうだ。ただ、屋根がない。貴重品をどうするかは考えどころだ。防水バックに入れてクレッパーに積み込むか、または鍵のかかるケースを用意しなくてはならないかな。まぁ、大した貴重品があるわけでもないので。

ランチの時間も忘れるくらい、静かな湖面を楽しんでいると、あっという間に午後3時を過ぎてしまう。クレッパーの向きをジムニー(JA71)が待っているサイト方向に戻す。屋根の無いジムニー(JA71)とクレッパーで出掛ける、僕にとって、この上ない、この組み合わせは開放感そのものだ。

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