三代目スズキ・ソリオ | 5速RMTと組み合わせる独自のパラレル式ハイブリッドシステムを初採用 【コスパ抜群! 一世代前の狙い目モデル】三代目スズキ・ソリオ(MA26S・36S・46S)…新世代のAセグメント車用「ハーテクト」を採用し居住性をアップしつつ約100kg軽量化
- 2021/03/20
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遠藤正賢
中古車は世代が古く低年式なモデルほどお買い得かと言えばさにあらず。生産終了から年月が経つにつれ残存台数が減り、希少価値が上がることで相場が高騰することは珍しくない。
また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。
そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。
今回は、2015年8月に発売されたスズキのAセグメント背高ワゴン「ソリオ」の三代目をご紹介しよう。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●スズキ
かつて背高ワゴンといえばリヤスライドドアのモデルは少数派で、ソリオのルーツであるワゴンRワイド(1997年)とワゴンRプラス(1999年)→ワゴンRソリオ(2000年)→初代ソリオ(2004年)も、ごく一般的なヒンジドアを採用していた。
だが2010年に発売した二代目ソリオからは、リヤドアをスライド式に変更。これが結果として、リヤヒンジドアの背高ワゴンやミニバンがSUVに取って代わられる中でもソリオが生き残り、さらにはスイフトを凌ぐスズキの国内登録車最量販車種へと成長する大きな要因となったのは間違いないだろう。
2015年8月にデビューした三代目ソリオは、のちに「ハーテクト」と呼ばれる新世代のAセグメント車用プラットフォームを初めて採用。ホイールベースを30mm延長し2480mmとして室内長2515mm、前後乗員間距離1080mm、室内高1360mmを確保したほか、リヤスライドドアの開口幅を60mm拡大するなど、居住性と使い勝手をさらに高めている。
そのうえで車重を約100kg軽量化し、最小回転半径を5.0mから4.8mへ短縮。パワートレーンは全車とも1気筒あたり2本のインジェクターを装着するK12C型「デュアルジェット」1.2L直列4気筒エンジン+CVTとし、さらに最廉価グレード「G」以外にISG(モーター機能付発電機)と12Vリチウムイオンバッテリーによる「マイルドハイブリッド」を組み合わせることで、FF車のマイルドハイブリッド搭載車においてJC08モード燃費27.8km/Lを達成している。
また、ステレオカメラ式のADAS「デュアルカメラブレーキサポート」を「G」以外にメーカーオプション設定。衝突被害軽減ブレーキのほか誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、エマージェンシーストップシグナル、クルーズコントロールシステムを実装している。
では、そんな三代目ソリオがどのように進化していったのか、モデルの変遷を以下に記す(価格はいずれも発表時点のもの(当時の税率における消費税込み))。
【2015年8月26日発表、発売】フルモデルチェンジ
標準仕様のほかエアロ仕様の「バンディット」を設定。ボディカラーは標準仕様が全8色、「バンディット」が全7色9種類。グレード構成および価格は下記の通り。
<標準仕様>
G(1.2L+CVT、FF/4WD)…145万4760円/158万1120円
ハイブリッドMX(1.2L+CVT+マイルドハイブリッド、FF/4WD)…169万5600円/182万1960円
ハイブリッドMZ(1.2L+CVT+マイルドハイブリッド、FF/4WD)…184万1400円/196万7760円
<バンディット>
ハイブリッドMV(1.2L+CVT+マイルドハイブリッド、FF/4WD)…182万5200円/195万1560円
【2016年11月29日発表、発売】追加モデル
K12C型「デュアルジェット」エンジンに、発電も可能な駆動用モーター(MGU)、5速2ペダルMT「オートギヤシフト(AGS)」、100V高電圧リチウムイオンバッテリーを組み合わせた、新開発のパラレル式ハイブリッドシステムを初めて搭載。JC08モード燃費32.0km/Lを達成しながら車重を990kgに抑えた「ハイブリッド」を追加した。
内外装の各部にブルーのアクセントを施したほか、力強くキビキビとした走りの「標準モード」と、EV走行の頻度を高めてエコドライブをサポートする「エコモード」を設定するなど、細部も異なる。グレード構成および価格は下記の通り。
<標準仕様>
ハイブリッドSX(1.2L+5RMT+ハイブリッド、FF)…191万7000円
ハイブリッドSZ(1.2L+5RMT+ハイブリッド、FF)…206万2800円
<バンディット>
ハイブリッドSV(1.2L+5RMT+ハイブリッド、FF)…204万6600円
【2016年12月8日発表、発売】特別仕様車
「バンディットハイブリッドMV」をベースに、メッキドアハンドルのほか、専用のラックススエード&レザー調シート、スエード調ドアトリムクロス、ブロンズメタリック加飾パネル、シルバーステッチ入りステアリング&シフトノブを装着し、専用外装色のヘリオスゴールドパールメタリック×ブラック2トーンルーフを設定するなど、内外装の質感をアップ。
後席右側ワンアクションパワースライドドア、助手席シートヒーター、クルーズコントロールを標準装備して快適性を高めた「Fリミテッド」(FF:189万4320円、4WD:201万7740円)を発売した。
【2017年12月7日発表、発売】特別仕様車
「G」をベースに、前席SRSサイドエアバッグ、「ナノイー」搭載フルオートエアコン、プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)、後席両側ワンアクションパワースライドドア、15インチアルミホイール、前後スタビライザー(FF車)などを標準装備。
また「スズキセーフティサポート」として、デュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能を実装して、安全・快適性を高めた「Sセレクション」(FF:165万4560円、4WD:178万920円)を発売した。
【2018年7月2日発表、7月20日発売】マイナーチェンジ
標準仕様・バンディットともフロントグリルとバックドアガーニッシュ、15インチアルミホイール、シート&ドアトリム表皮、メーターのデザインを変更したほか、バンディットはさらにフロントバンパーも一新した。
また「デュアルカメラブレーキサポート」に、夜間歩行者検知機能、アダプティブクルーズコントロール、ハイビームアシストを追加したほか、リヤバンパーに内蔵した4つの超音波センサーによる後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、リヤパーキングセンサーをセットで採用している。グレード構成および価格は下記の通り。
<標準仕様>
G(1.2L+CVT、FF/4WD)…145万9080円/158万5440円
ハイブリッドMX(1.2L+CVT+マイルドハイブリッド、FF/4WD)…170万3160円/182万9520円
ハイブリッドMZ(1.2L+CVT+マイルドハイブリッド、FF/4WD)…195万4800円/208万1160円
ハイブリッドSX(1.2L+5RMT+ハイブリッド、FF)…201万9600円
ハイブリッドSZ(1.2L+5RMT+ハイブリッド、FF)…217万9440円
<バンディット>
ハイブリッドMV(1.2L+CVT+マイルドハイブリッド、FF/4WD)…194万4000円/207万360円
ハイブリッドSV(1.2L+5RMT+ハイブリッド、FF)…216万8640円
【2017年12月7日発表、発売】特別仕様車
「G」のスズキセーフティサポート装着車をベースに、「スピーディーブルーメタリック」と「クラッシーブラウンメタリック」のホワイト2トーン色を設定したほか、専用シルバーステッチ入りファブリックシート表皮、ブラックドアトリムクロス、ピアノブラック調インパネセンターガーニッシュなどを装着して、内外装の質感をアップ。
さらに前席サイドエアバッグ、後席右側ワンアクションパワースライドドア、IRカット機能付きフロントガラス、フロントドアプレミアムUV&IRカットガラスなどを標準装備して安全・快適性を高めた「GX2」(FF:169万3440円)および「GX4」(4WD:178万8480円)を発売した。なお「GX2」には、エアロ形状の前後バンパーおよびサイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラーが装着される。
■スズキ・ソリオバンディットハイブリッドSV(FF)*2016年11月発表モデル
全長×全幅×全高:3710×1625×1745mm
ホイールベース:2480mm
車両重量:990kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1242cc
エンジン最高出力:67kW(91ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:118Nm/4400rpm
モーター最高出力:10kW(13.6ps)/3185-8000rpm
モーター最大トルク:30Nm/1000-3185rpm
トランスミッション:5速RMT
サスペンション形式 前/後:ストラット/トーションビーム
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ:165/65R15 81S
乗車定員:5名
車両価格(当時):204万6600円
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