スバル・レヴォーグ&フォレスター CB18型1.8ℓ水平対向4気筒ターボ搭載モデルを710kmロングラン。そのキャラクターに違いはあるか?
- 2021/03/10
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世良耕太
第2世代レヴォーグに合わせて新開発されたCB18型、1.8ℓ水平対向4気筒直噴ターボエンジンがフォレスターにも搭載された。日常での使い勝手を重視し、パワーではなくトルクにこだわったのがこのエンジンの特徴である。最高出力は177ps(130kW)/5200-5600rpm、最大トルクは300Nm/1600-3600rpmだ。同じエンジンを積む2台を乗り比べて、キャラクターの違いを確かめてみた。
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)
出発地は石川県の金沢駅である。そこから能登半島を北上し、輪島で折り返して七尾から能越自動車道に入り、いったん金沢市内を走って北陸自動車道に向かい、上信越自動車道〜関越自動車道〜外環道〜首都高速を通ってスバルの本社がある東京・恵比寿に向かった。雪道ドライブを堪能するはずだったのだがご覧のとおり、アテが外れた格好である(2台ともスタッドレスタイヤを装着)。
正面からレヴォーグとフォレスターの2台を見てみよう。同じエンジンを積んでいるはずなのに様子が違う。レヴォーグのボンネットフードには、エンジン上面に搭載された空冷インタークーラーに冷却風を導くためのエアインテークが設けてある。歴代レヴォーグといより、スバルの高性能モデルに共通する外観上の大きな特徴のひとつだ。
フォレスターにはそれがない。寂しい気もするが、運転席に座った際の視界の面では「ない」ほうがありがたい。エアインテークのふくらみは、高性能であることを誇示する印には違いない。これを邪魔に感じる人はそもそもスバル車を選択しないと思うが、ドライに判断すれば視覚的なノイズである。そのノイズがなく、すっきり開けた視界を歓迎する人もいるだろう。
ボンネット上のふくらみはないが、フードを開けてみると、特徴的なインタークーラーは確かにある。フォレスターは顔の厚みを生かし、ボンネットフードとフロントグリルの隙間から空気を取り入れ、フードの裏にダクトを配してインタークーラーに冷却風を導いているのだ。ボンネットがすっきりしているのはそのためだ。
レヴォーグに乗った後で、同じエンジンを積んだフォレスターSPORTに乗り換えてみると、クルマの動きが緩く感じる。背の低いクルマとSUVでは動きの作り込が異なるのは当然だし、SUVはゆったり感があって当然だ。しかし、逆の見方をするとレヴォーグはずいぶんしっかりしたクルマだと感じる。剛性感が高いという言い方もできる。実際の数値はわからないが、レヴォーグのほうが静粛性は高いようにも感じる。動きはタイトで引き締まっているが、同時に上質で、ひとクラス上のクルマに感じる。
印象論に終始して恐縮だが、アクセルペダルを踏み込んだときのドライブトレーン系(両車ともにチェーン式CVTを搭載)の反応は、レヴォーグのほうがタイトで、フェレスターのほうがルーズだ。というと語弊があるかもしれず、レヴォーグのほうがよりタイトだ。これも、クルマのキャラクターの違いに合わせたセッティングだろうか。
フォレスターは、おおらかなクルマの動きに合わせ、CVTの制御もおおらかにしたということだろうか。ただし、エンジン回転が一気に上がって後から車速がついてくるような、いわゆるラバーバンドフィールが顔を出すことはない。新開発の1.8ℓ直噴ターボエンジンは、低い回転域から充分な力を出してくれるので、アクセルペダルを床まで踏みつけて強い加速でも望まない限り、エンジン回転が一気に上がってノイズを撒き散らすようなことはない。
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