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伝統を守り、進化させるものづくり トヨタ・センチュリーのメカニズムを徹底解説!

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振動とエンジン透過音の遮断

NVブレースによるガラスの振動、制振材によるカウルの振動を抑制したほか、シールスポンジや構造接着剤を採用。振動によるこもり音の抑制とエンジン透過音を低減した。

静粛性を高めるために徹底された吸遮音対策

天井の吸遮音も徹底しており、ゴム系制振材の上からスポンジを貼り、さらにシンサレート(極細ポリエステル綿)の吸音材を積層。骨格以外の平面部をすべて覆い、雨音がキャビンに伝わらないようにしている。

手彫りの金型を忠実に再現する鳳凰エンブレム

鳳凰のエンブレムは無垢の金属のように見えるが、金型を使用してポリカーボネート樹脂で成形し、鳳凰の部分を黄色に着色、ミリ波に影響を与えないインジウムを蒸着させてソリッドに見せている。金型は熟練の彫金師がたがねで手彫りしたもので、彫り上げるのに約1ヵ月半を要した。NC工作機械では刃物が回転式となるため、最小Rは0.3 ㎜程度が限界となり、羽毛の繊細さは表現できない。しかし、刃先で削いでいくたがねなら、10分の1の0.03Rぐらいまでの表現が可能になる。

圧倒的な存在感を発する漆黒の塗装

センチュリーを象徴するエターナルブラックは、他色に増してこだわりを持ってつくられている。輪島の漆塗りを参考に、新たな塗料の採用のみならず、他車では考えられない工数を掛けた塗装方法も採用。

熟練の匠の技で磨きが掛けられる

塗装面の研磨は従来と同じく、熟練工の手で3回、水研ぎが行なわれている。水研ぎに掛かる時間は、1回当たり約1.5時間。ひとりの職人がボディの半分を担当し、息の合ったペアで作業する。この工程を担当できるようになるまでに、3〜5年の修行を要するそうだ。

タイヤで発生する騒音を減衰するホイール

ホイールには、ノイズリダクション構造を採用。リム部に空洞を設けてタイヤ側に穴を開け、空洞部をレゾネーター(共振式消音器)として利用。ロードノイズがタイヤ内部で共鳴することによって発生する210Hz付近の音圧を低減している。空洞部は中子による鋳造ではなく、リムをスピニング成形する際に同時に延ばし、端部を溶接して形成する。

専用設計の静音タイヤを採用

タイヤはブリヂストンのレグノGR001だが、市販のものとは異なる専用設計品。トレッド面のゴムの厚さを大幅に増やすことで、バネ定数を低くすると同時に、接地面にディンプルホールを設け、ゴムが変形する際の“逃げしろ”を確保。クルマが動き出す際の微細な振動を吸収し、圧倒的に滑らかな走り出しを実現している。

特徴的な輝きの仕組み

リヤコンビネーションランプには、行燈をモチーフにしたデザインが取り入れられている。構造はアクリルレンズによる導光式で、LED 光源はレンズの端部に装着。半円筒形のレンズには、光を反射するためのスリットが切られており、これが行燈の桟のように光る。円筒の両端部には金属を蒸着して鏡面エクステンションが設定されており、スリットの光をここに反射させ、円筒が奥まで続いているように見せている。

ボディ下部を一周するメッキの輝き

こちらもセンチュリー伝統の意匠であるメッキパーツ。ABS製の大きな部品であるため均一な加工が難しく、工法の確立が工夫された。また、各部で輝きに差が出ぬようにグロス値とパーツ管理が行なわれる。

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