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ホンダ・クラリティPHEVのメカニズムを徹底解説!

  • 2019/08/12
  • ニューモデル速報
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より高トルクかつ高出力なi-MMD

EV領域の拡大に伴うモーターの冷却を強化。走行抵抗とフリクションが低減されたほか、バッテリーやモーター、パワーコントロールユニットなどの性能向上によって、ベースとなったアコードPHEVに対して最高出力が9%、最高トルクが3%増とシステムとして高性能化された。

■SPORT HYBRID i-MMD plug-in
最大駆動電力(V):650
最高出力(kW[㎰]):135[184]
最大トルク(Nm[㎏m]):315[32.1]
最高回転数(rpm):13000

発熱量の増大に対応する高効率水冷システム

リチウムイオン電池にとって理想的な温度は、おおむね25℃〜35℃の間。それより低過ぎると出力が低下するし、高過ぎると劣化が加速する。しかし、外気温との差が小さいため、温度管理が非常に難しい。熱の移動は温度差が大きいほど速くなるから、外気温との差が小さいほど冷えにくいのだ。そこで、バッテリー冷却系のラジエーターをいちばん前に配置して、優先的に冷却している。
冷却水はIPUに入った後、3系統並びに4系統のウォータージャケットに分散(1ジャケットで2モジュールを冷却)。各ジャケットの流量を均等化するため、流路設計は何度もやり直したそうだ。

高性能EV+高効率エンジン

EV走行駆動力を高めることにより、アクセルを踏んでもEV走行を持続しやすい性能を獲得。JC08モード114.6㎞/hという航続距離を持つ。また、組み合わされるエンジンの高効率運転領域も拡大され、従来のPHVに対してエンジン回転上昇を抑制。静粛性と燃費に貢献する。

高出力しながらも軽量・コンパクトなシステム

アコードPHEVのシステムをベースに、トルクリミッターの内蔵や回転角センサー中央配置などの改良で大幅な小型軽量化と高トルク・高出力化を実現。従来の丸型銅線から角型銅線に替えて高密度化されたモーターは従来型に対し25%の小型化と23%の軽量化がなされている。

EV走行をサポートするペダルクリック機構

より長いEV走行を支援するために、クリック付きのアクセルペダルを装備。パワー/チャージメーター上にブルーのラインでEV可能領域を表示しており、その範囲内であればEV走行が可能となっている。またECONモードではEV可能領域を超えてアクセルペダルを踏み込もうとした場合、クリック感を感じる構造としており、EV走行の維持を支援する。

EV走行を中心に3つのドライブモードを最適制御

バッテリーに蓄えられた電力によりモーターのみで走行する「EVドライブモード」のほか、高負荷やバッテリー残量の少ない際にエンジンの高効率領域を使って、発電しながらその電力でモーターを駆動する「ハイブリッドドライブモード」、高速クルージングなどで、エンジンが直結クラッチを介して駆動する「エンジンドライブモード」と3つのモードを最適に切り替えて走行する。

EV走行性能の向上に貢献するPCU(パワーコントロールユニット)

コイルを並列に巻いた従来構造の磁気結合インダクタでは双方のコイルから発生する漏れ磁束が同じ向きになり強めあうため、周辺回路に影響を与える。そこで磁束が相殺されるよう、コア(鉄芯)を“日”の字の真ん中を切ったような形にし、コイルを2分割して左右に分けて巻き、自分の漏れ磁束を自分で相殺する新構造を開発した。

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