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マツダCX-30とトヨタC-HR、三菱エクリプスクロス、レクサスUXを徹底比較!〈ライバル車比較インプレッション〉|SUVレビュー

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走りも各モデルの違いが明白

 走りについても、近年パワートレーンの多様化がますます進んでおり、このクラスにもいろいろなタイプが揃うが、今回はディーゼルとハイブリッドが2台ずつ、すなわち純ガソリンではない方で比べることにした。

 実際の販売比率も日本ではハイブリッドやディーゼルがもてはやされる傾向で、CX-30がどうなるかはこれからわかるが、前身といえるCX-3が当初はディーゼルのみだったところ、ガソリンが加わってからは半分を超えており、CX-30でもガソリンが40%、ディーゼルが35%、遅れて追加されるスカイアクティブ-Xが25%と見込んでいるという。

 せっかく箱根に持ち込んだので、ワインディングでどれがいちばん気持ち良く走れるかという視点を主体で述べると、動力性能において好印象なのは、加速の力強さで他を凌ぐエクリプスクロスだ。

 8速ATとの組み合わせで、低速域からリニアなレスポンスと、湧き上がるトルク感がある。音や振動も抑えられているとはいえ、さすがにCX-30を前にするとディーゼルっぽさを感じるものの、エンジン特性にはディーゼルの良さが前面に出ていて、トルクフルで乗りやすい。

 対するCX-30もディーゼルとしてのトルクはあるが、アクセル開度が小さい領域で無反応な領域があり、そこを超えると一気にトルクが出る特性で、乗り方によっては車速のコントロールがしにくいのが気になる。ただし、音や振動が圧倒的に小さく、レッドゾーンが5500rpm〜と、ディーゼルらしからぬほど高く、ガソリンのように回して楽しめる味を持っているのは、スカイアクティブ-Dならではの美点に違いない。

 トヨタ系のハイブリッド車は、こうしたワインディングロードを走るには不向きというイメージがあるのだが、実は近年のモデルはそんなことはない。かつてに比べてアクセルレスポンスが大幅に改善されていて、こうした場所でもストレスなく走れる。とはいえアクセルを踏み込んで上まで回すと、いわゆるラバーバンドフィールが顔を出すのは否めないが、昔のようなことはない。

 また、これまたイメージとは逆なのだが、乗り比べるとスペックに勝るUXよりもC-HRの方が微妙にレスポンスが良く、走りも軽快に感じられた。これには意外と大きい車両重量差も影響していそうだ。

 フットワークの味付けもそれぞれ。奇抜なデザインに目が向きがちなC-HRだが、実は欧州市場でも認められるべく走りも本気で磨き上げているとのことで、こうして走らせてみてもそれは正確性に富むハンドリングにも表れている。今回ドライブしたのは3万㎞超を走った個体だったのだが、くしくもTNGAのポテンシャルの高さを垣間見た次第。しっかりとした土台に支えられて足まわりが的確に動く、新車で感じた良さを改めて感じ取ることができた。

TOYOTA C-HR HYBRID G

個性的なルックスと、ニュルブルクリンク24Hレースなどで鍛え上げられたスポーティな走りが魅力の異色なSUV。その独特な個性はデビューから3年が経過した今でも色褪せず、販売台数でも高いレベルの人気を維持している。

直列4気筒DOHC/1797㏄
最高出力:98㎰/5200rpm[モーター:72㎰]
最大トルク:14.5㎏m/3600rpm[モーター:16.6㎏m]
車両本体価格:302万8000円
WLTCモード燃費;25.8㎞/ℓ

 UXも基本骨格として近縁関係にあるわけだが、こちらも仕上がりは上々だ。このクラスながら電子制御サスペンションが設定されているのは、やはりプレミアムブランドの一員らしい。フラット感があり、より高い快適性と俊敏かつ正確なハンドリングに加えて、静粛性も高く、他の3台よりもワンランク上質なドライブフィールを身に着けている。高価ではあるが、良いものは良いことには違いない。

 片やエクリプスクロスは、今回の3台の中では重心高が高いため、こうしたワイディングを走ると動きが大きく出やすいわけだが、独自の四輪制御技術が効いてか、俊敏性と優れた操縦安定性を併せ持っている。

 惜しむらくはボディだ。新世代のグローバルプラットフォームを得たライバル車に比べると全体的に振動感があり、もう少し剛性が欲しいところ。こちらもベースであるアウトランダーが各部に手当を施して見違えるような走りを手に入れることができているので、エクリプスクロスも期待したいところだ。

 CX-30はこの中で唯一、リヤが独立懸架でないわけだが、それによると思われるデメリットとメリットの両面が感じられた。

 まず、乗り心地は路面の凹凸に対する感度が高め。低速ではそれほどでもないが、車速が上がるにつれて硬さ感が増し、段差を通過した時の突き上げも強め。トーションビーム化だけでなく、縦方向が強過ぎる車体剛性のバランスなど、いろいろ要因はありそうだが、現状はやや気になるのは否めない。

 一方で、ハンドリングにはトーションビーム化の恩恵も感じられた。マルチリンクは一般的に横力が加わるとトーインとなり安定性が増す半面、操縦性にも少なからず影響する。その点、トーションビームなら動きが線形でアライメント変化が小さい。

 加えてマツダにはGVCがある。世に出た当初のGVCは切りはじめが過敏過ぎると感じていたところ徐々に改善され、ブレーキ制御を加えた最新の「プラス」は違和感も薄れ、ライントレース性も向上している。横Gはあまり強く立ち上がらないのにヨーがしっかり出るあたりも独特の操縦感覚である。

 そのGVCの効果もあって、ステアリングの切り始めには俊敏さを感じさせながら、ターンインは小舵角だが、切り増していった時の反応がゆるやかなところがCX-30ならでは。世の中の流れとは逆に、あえてステアリングレシオをスローにすることで、クルマに無駄な動きを出させず修正舵を要しないようにしているわけだ。これにより開発目標のとおりステアリングを切った分スッと曲がり、ドライバーの思いどおり自在に動かせるドライブフィールを実現している。この感覚は、今回のライバル車にはないものだ。

MITSUBISHI ECLIPSE CROSS G Plus Package (ディーゼル)

パジェロやランサーエボリューションで4WD技術とブームを牽引してきた“四駆の三菱”が放つクロスオーバー。スタイリッシュながらも、室内の実用性やS-AWCによる、路面を選ばない本格的な走りはマニアをも唸らせる実力を持つ。

直列4気筒DOHCディーゼルターボ/2267㏄
最高出力:145㎰/3500rpm
最大トルク:38.7㎏m/2000rpm
車両本体価格:346万6100円
WLTCモード燃費:14.2㎞/ℓ

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