新型フィットの技術④シャシーはどう進化したか?サスペンションの低フリクション化とは? ホンダ新型フィット:サスペンションの低フリクション化でシャシー性能を向上させた
- 2019/12/17
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MotorFan編集部 鈴木慎一
リヤサスペンション(TBA)はどう変わった?
今度はリヤサスペンションだ。
新型ホンダ・フィットのサスペンションを眺めてみる【東京モーターショー2019】
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リヤサスペンションは、ホンダが「車軸式」と表記する「TBA(トーションビームアクスル)」である。
リヤサスペションは、マウントの構造を刷新している。
現行のフィットから「入力分離」と言って、バンプストップラバーに入るようにような大入力はボディに伝え、ダンパーのロッドから入ってくる入力は、ウレタン部分を伝える、つまり別々の経路で入力を受け止めるという構造をとっている。
しかし、その前型(つまり2代目)フィットからボディ構造等をあまり大きくと変更することができなかった事情で、「簡易的に」入力分離構造を採っていた。このため、ダンパーを締結する際に、ウレタンを潰す構造になっていて、あまりウレタンの特性・旨味がうまく使えていなかったという。
新型は、欧州のライバルモデルでも適用しているアルミダイキャスト製ブラケットを用意することで、締結自体はこのブラケット自体に持たせ、いままで通りバンプストップラバーに入る大入力は高剛性のブラケットを通じてボディに伝える。現行型で締結にする際に挟まれていたウレタンに独自の居場所を作ることでウレタンの最も美味しい特性を使えるような構造にした。
「これによって乗り心地の向上だけでなく、操安性の向上にも役立っていると思います」(エンジニア氏)
上級グレードにはVGR(可変ギヤレシオステアリング)を設定
LUXEのHEVモデルなど一部のグレードで、ステアリング機構にVGRシステムを適用している。VGRとは「可変ギヤレシオ」のことで、は舵角ごとにラックストロークを変化させてステアリングギヤレシオを可変させる。
小舵角ではゆっくり動いて、大舵角ではクイックになっていく特性だ。駐車場や狭い路地、ランナバウトでは取り回しでは、このVGRで楽になる。またワインディング等の低中速コーナーでは気持ちのよいゆとりのある操舵フィールが得られる。
「高速道路等ではあんまりフラフラしたくない、そういう時はスローなレシオになっているので、どっしりとまっすぐ走るような操舵フィールを体感できると思います」(エンジニア氏)
VGRモデルとノーマルでも、トータルのステアリングギヤレシオは変わらない。
ホンダのエンジニアによると、このクラス(つまりBセグメント)のベンチマークは、これまでは常にVWポロだったのだという。新型でも当然ポロはベンチマークしたが、今回はフランス勢も見るようにしたのだという。つまり、ルノー・クリオ、プジョー208あたりのことだろう。
コンパクトカーだから、とにかくキビキビ走らせたい、というわけではなく、あくまでも「心地よい走り」「幅広い年齢層が気持ちよく走らせるベーシックコンパクトとしての走り」を意識して開発したように見受けられた。このあたりが新型フィットの走りのキャラクターとなりそうだ。となれば、「RS」グレードがないもの肯ける。
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