日本に4台しかないメガーヌR.S.トロフィーRカーボン・セラミックパックと一緒に走ってきました〈ルノー・メガーヌGT長期レポートVol.18〉
- 2020/02/05
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MotorFan編集部 小泉 建治
オドメーターも1万kmを越え、相変わらず東へ西へと走り回っているMFメガーヌ号。本日は、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェで7分40秒1の市販FF世界記録を打ち立てた車両とほぼ同じ仕様の「メガーヌR.S.トロフィーRカーボン・セラミックパック」の取材に同行して参りました。
レポート日:2020年2月5日
オドメーター:10812km
TEXT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
ルノー・スポールの剛と柔
しばらくレポートが滞っておりましたが、相変わらずMFメガーヌ号は絶好調であります。確か東京オートサロンの搬入日(1月9日)だったかと思いますが、オドメーターが1万kmを越え、もうすぐ1万1000kmになりそうです。
とくにトラブルもなく、今なお日増しにエンジンが軽やかに回るようになるような、そして変速もスムーズになるような、そんな「日々是慣らし運転」とでも言いたくなるほどに進化を続けるMFメガーヌ号であります。
そんななか、本日はこんなスペシャルなメガーヌの取材に同行いたしました。
メガーヌR.S.トロフィーRであります。名手ロラン・ウルゴンがニュルブルクリンク・ノルトシュライフェで7分40秒1の市販FF世界記録を打ち立てた車両とほぼ同じ仕様のスペシャルマシンです。
今回の取材に駆り出されたのは、そのトロフィーRのなかでもカーボンセラミックブレーキなどが奢られた「メガーヌR.S.トロフィーRカーボン・セラミックパック(ただしホイールのみトロフィーRと同じもの)」でした。諸事情によりトロフィーRとトロフィーRカーボン・セラミックパックのハイブリッド的な仕様でしたので、細かい部分はあまり気にせずにご覧いただければ幸いです。
ちなみにメガーヌR.S.トロフィーRは世界限定500台で、そのうちの30台がカーボン・セラミックパックです。日本市場に割り当てられたのは、前者が47台、後者が4台(!)です。
試乗レポートや詳しいメカニズム解説は、あらためて世良耕太さんによるレポートとしてお届けいたしますので、ここではパッと見た印象の違いと、本編では触れないであろうGTとの些細な違いなどを思いつくままに挙げてみます。
ひとまずMFメガーヌ号と見比べてみましょう。左が編集部のメガーヌGTで、右がメガーヌR.S.トロフィーRです。同じホワイトのボディカラーなので違いがわかりやすいですが、トロフィーRのほうが明らかにフェンダーがワイドなのがわかります。ただしこのワイドボディはトロフィーRに限ったものではなく、R.S.すべてに共通です。全幅はGTが1815mm、R.S.が1875mmです。
バンパーの形状もかなり違いますね。ただしデザイン自体はR.S.全体に共通するものです。
ルノー・スポールが手がけた最も快適なメガーヌと、最も過激なメガーヌのツーショットというわけですが、同じメガーヌながらずいぶんと印象が違うものですね。
外観上で最も目を惹くのが巨大なブレーキローターとキャリパーです。19インチもある大径ホイールなのに、キャリパーとの隙間がパツパツで指すら入りません。タイヤというより、ブレーキローターで走っているみたいに見えます。
ボンネットはカーボン製です。本日、撮影を行った箱根は寒風が吹き荒れていたのですが、ボンネットが軽すぎて吹っ飛ぶかと思いました。
リヤシートがありません! ここには245/35R19サイズのタイヤが4本積めるそうです。固定用のフックもあります。その後ろにはさらに通常のメガーヌと同じだけのラゲッジスペースがありますから、ユーティリティはとてつもなく高いと言えそうです。日本で売っているルノーとしてはカングーに次ぐカーゴスペースの持ち主です!
リヤのディフューザーはカーボン製で、通常のR.S.よりもフィンが大ぶりです。駐車場の縁石とのクリアランスはこんな感じです。ギリギリです。念のため、初めて駐める場所では降りて確認しながら後退した方がいいでしょう。
トランスミッションは6速MTのみです。最高です。ペダル配置はご覧の通り完璧です。ルノーの右ハンドル車のペダル配置のすばらしさは、もう有名かも知れませんね。
ルノー・スポールに限ってみれば、一番売れているのは本国フランスですが、2〜4位を常にイギリス、オーストラリア、日本が争っているんですよね。当然、右ハンドルの開発にも力が入るというわけです。
MFメガーヌ号では、R.S.ドライブやアイドリングストップ機能キャンセルのスイッチの両脇にシートヒーターのスイッチがありますが、トロフィーRにはありません。そしてリヤシートがないので、リヤドアのウインドウはハメ殺しになっていて、パワーウインドウのスイッチもありません。写真は運転席ドアにあるスイッチ群です。リヤのパワーウインドウがないモデル用のスイッチユニットが、ちゃんと用意されているんですね。北アフリカとか南米とかで売っていそうな、リヤウインドウが手巻き式のモデル用でしょうかね?(未確認)
世良耕太さんの試乗後、筆者も実際に少し走らせてみましたが、なにしろ旋回力の立ち上がりの異様な速さにびっくりしました。これは乗り手にも相当な気合いと覚悟を求めるクルマです。その代わり、サーキットでは鬼のようなコーナリングを見せてくれそうです。
というわけで、近々公開予定の世良耕太さんのレポートもお楽しみに!
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