インプレッサもレヴォーグもフォレスターもXVもアイサイト搭載車は全車サポカー補助金対象車 スバルのアイサイト、便利で安全だけじゃない。かゆいところまで手が届く最新アイサイトの仕組み PR
- 2020/03/16
- Motor Fan illustrated編集部
ぶつからないクルマ?として大きなインパクトを与え、人々のクルマの安全性能に対する意識を大きく変革させたスバルのアイサイト。最新世代では自動運転レベル2相当の全車速対応ACCを備えている。ドライバーの意思を汲みながらかゆいところまで手が届くアシスト機能はどのようにして作られたのか。Motor-FanTECH編集長が解説する。
TEXT◎Motor-Fan TECH編集長・萬澤龍太
ACCが好きである。ACC=アダプティブ・クルーズ・コントロールのことだ。通勤時に必ず見舞われる渋滞で運転を助けてくれるこんな便利な装置を使わない手はない。渋滞している最中に周りを眺めてみれば、停車してはスマホに目をやり前走車の動き出したのに気がつかず慌てて発進、そんなクルマが多い。断るまでもなく、運転時にスマートフォンの操作は固く禁じられているし、それを差し引いたとしても前走車と無駄な車間を広げてしまい慌てて走り出し、車間が詰まれば急ブレーキ。これでは解消する渋滞も悪化してしまう。ACCは良好な交通を生み出してくれるのだ。
しかし世にACCは数あれど、Motor-FanTECH編集長として全幅の信頼を置いて作動させられるシステムはじつは少ない。「うわ危ねえな、急に割り込んでくるなよ……」という憂き目に遭うのは自車の発進タイミングが前車とシンクロしていないからだし、「おいおいおいおい大丈夫か大丈夫か大……ふー停まった……」なんて冷や汗をかくようなブレーキ挙動を見せるクルマもある。ACCの作動状態が自分の運転感覚と著しく違っているので不安や不満を覚えてしまうのだ。
そこをいくと、スバル・アイサイトはその数少ない「全幅の信頼を置ける」システムだといつも感じる。ステレオカメラが前だけじゃなくて前の前の前くらいまで見ているんじゃないかと感じる機敏でなめらかな発進制御、某漫画ではないけど並々と注いだコップの水もこぼさないんじゃないかという加速度変化のない停止のしつけ。「なかなかやるじゃない。キミにだったら任せるよ」という気持ちになるのだ。
これだったら、かつては私に運転の手ほどきをしてくれた、しかし、歳をとって運転にやや不安を感じ始めている父親世代にも勧められる。ペダル踏み間違えによる事故のニュースを目にするたびに、最新のアイサイトが付いていたら、と思ってしまう。
■ なぜ先読み発進と穏やかブレーキができるのか
ご存じのように、アイサイトのキーデバイスはステレオカメラである。世の中の運転支援/自動運転システムにおいてステレオカメラのみで成立させているのは少数派だ。スバルは頑なにステレオカメラを使い続ける。なぜかといえば、ステレオカメラを用いることで測距と物体検知の双方を高度に実現できるからである。
測距については、人間の目と同じ仕組みと捉えれば理解しやすいだろう。目標物に対して右視野/左視野の角度差が生じれば相対的な位置を検知できる。アイサイトの始祖とも言えるADA時代からステレオカメラによる制御を組み続けてきたスバルにとってその知見は膨大であり、距離と角度のみならず「見ているものは一体何か」まで把握できるカメラシステムは、シンプルかつ高度な運転支援制御にとっては不可欠のデバイスとなったのだ。
ところで「ステレオカメラは(コストが)高い」などという意見を聞いたことがある方もいるかもしれない。「中長距離を正確に把握できるミリ波レーダーならもっと正確に捉えられるし、安くできるじゃないか」と。しかしミリ波レーダーは単眼カメラと組み合わせることが多く、システム全体としては高コストになってしまう。アイサイトはステレオカメラのみで機能を実現できるところに特長があり、さらにシステムも自社内で開発しているところにメリットがある。
年々高度複雑化する運転支援装置は、それを見据えてハードウェア変更が容易なFPGA(Field Programmable Gate Array)を採用するものが多い。しかしアイサイトはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と称するカスタムメイドICを基本とし、さらにBSW(Basic Software:PCのOSにあたる)まで自社で開発する徹底ぶり。搭載するソフトウェアをシンプルに構築し、それは軽くて確実な動作を実現するだけではなく、限られた容量内でより多くの機能を搭載するための工夫なのである。
こうしたハードウェア/ソフトウェア構成と自社開発環境により、ぶれのない一貫した性能を発揮する。たとえば先述のスムーズな発進と巡航については前走車の挙動(=相対距離と速度)に加えて車線をあわせて検知、減速制御については前走車のブレーキランプ点灯認識までを制御に盛り込んだ。穏やかな停止のしつけはスバルの熟練ドライバーによる踏力一定ブレーキを参考に、それを実現するべくひたすら作り込んだ力作であるという。道理で不快なGの変化が感じられないわけだ。
さらに最新版の「アイサイト・ツーリングアシスト」においてはアクセルとブレーキに加えてステアリングも制御、車線内中央走行や逸脱抑制までも得ることになった(インプレッサ、SUBARU XV、フォレスター、WRX S4に搭載)。
■「ぶつからないクルマ?」のパイオニアとして
アイサイトといえば緊急回避ブレーキと想像するだろう。お茶の間で流れるTVCMの「急ブレーキでギリギリ衝突を回避するスバル」はインパクトが大きかったし、このプリクラッシュブレーキ機能の存在を世の中に一般的にしたスバルの果たした功績はきわめて大きい。
プリクラッシュブレーキが実装されたのは2008年に登場した最初のアイサイトから。しかしスバルはシステム開発を始めた1989年から同機能の実現に向けて動いていた。社内試験を繰り返し、一定の速度以下ならば停車、衝突回避まで可能としていたのに実装できなかったのは、法制のため。それが解禁されたのは、ボルボがアイサイトと同様のシティセーフティ導入に際してスウェーデン国王来日のタイミングに合わせた国土交通省との折衝がきっかけだった。結果として外圧の助けを借りることにはなったが、これを契機に日本国内でもブレーキによる衝突回避が認められることになる。
以降のアイサイト・プリクラッシュブレーキの快進撃はよく知られるとおりである。2008年のアイサイトでは減速のみで停車まではさせない制御だったが、2010年に登場したアイサイトver.2はアップデート、速度差30km/h以下の状況では自動ブレーキによって衝突回避する機能を得た。さらに2014年に登場したアイサイトver.3では速度差50km/hまで性能を引き上げている。
近年の「踏み間違い」による不幸な事故回避のための技術にも抜かりはない。「AT誤発進抑制制御」とは、停車中もしくは徐行中に前方の壁などの障害物をシステムが認識し(*3)、その時にアクセルが不必要に踏み込まれたとシステムが判断すると、警報音と警告表示で注意を促すと同時にエンジン出力を抑制し、クルマの発進をゆるやかにして、衝突を抑止する機能。マルチファンクションディスプレイ装備車は、ディスプレイに割り込み画面が表示される。さらに、後退時の安全性を高めてくれる「AT誤後進抑制制御」も備えている(*1)(*2)。
*1:ステレオカメラを使用した制御ではありません
*2:後方障害物の有無は制御に関係しません
*3:前方の壁や障害物の形状、見え方によっては作動しない場合があります
■ 北米市場では「安全なクルマ」の代名詞に
日本では水平対向エンジン+シンメトリカルAWDというハードウェアがマニアの心を強く捉えて離さないスバル。いっぽうで海の向こう、スバル最大市場である北米ではむしろ「安全なクルマ」としての認識が高い。かの地でのユーザーレビューを眺めても「スバルだから助かった」「安全機能が充実している」といった声が多く、コストパフォーマンスを強く求めるアメリカ人らしい選択だということがうかがえる。2018年度の自動車アセスメント(JNCAP)において、フォレスターが「衝突安全性能評価大賞(衝突安全性能評価ファイブスター賞受賞車種でこれまでの最高得点を獲得した車種に与えられる)」を受賞するなど、当然日本においても衝突安全性能の高さは折り紙つきだ。
そんな安全なスバルを手に入れたい。そうお考えの65歳以上の方と65歳以上のご家族のいる方にお勧めなのが「サポカー補助金制度」である。高齢者による不幸な踏み間違いや運転操作ミスがもたらす死傷事故のニュースが後を絶たない。サポカー補助金制度はそのような現況を「サポカー」によって解決を図ろうとするもので、対歩行者の衝突被害軽減ブレーキおよびペダル踏み間違い急発進等抑制装置の2種を備えていることが条件。スバルのアイサイト搭載車は当然ながらそれらを満たしているので、補助金額10万円対象(新車購入時)。補助金の交付は「早い者勝ち」なので、購入を考えているなら急ぐのが吉である。
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