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従来のスポーティ路線から一転、親しみやすさを追求したホンダ新型フィットの魅力を競合車との比較で明らかにする! 癒し系のホンダ新型フィットと個性派ライバル トヨタ・ヤリス、日産・ノート、スズキ・スイフトと徹底比較!

  • 2020/04/01
  • ニューモデル速報
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癒しのフィットとスポーティなヤリスの直接対決に期待

 新型フィットのe:HEVはノートe-POWERに近いが、ドライバビリティやドライビングプレジャーなど感覚的な性能は大きく上回っていた。まずエンジンが1.5ℓ直列4気筒のためトルクに余裕があり、再始動時の振動も少ない。EV走行からアクセルを踏み増していっても、いつエンジンが掛かったのか気付かないこともあるほどだ。さらにリニアシフトコントロール制御が驚くほどつくり込まれている。CVTなどでよくある、加速に合わせて有段ギアのようにエンジン回転数が上下してシフトチェンジしているかのように思わせる制御に近く、CVTの場合はほぼ全開に近いところでのみ作用するが、e:HEVのそれはちょっと早めぐらいの加速でも有段ギア感がある。空いている郊外路を普通に加速するイメージで走らせると、50㎞/h、70㎞/h、90㎞/hでシフトチェンジ。加速の強さや状況によって制御は変わってくるが、あらゆる場面でドライバーの感覚と加速感、音の変化が見事にマッチしていて心地良い。エンジンの音の変化が、加減速を予測させてくれるかのようで、一体感があるのだ。基本的には電気モーターで加速しているからギミックなのだが、下手なエンジン車よりもずっとリニアに感じられるのだから驚いてしまう。

 高速域の巡航などではエンジンドライブモードとなるが、その切り替えはとてもスムーズでそれと気が付かせない。一度そのモードになると、それなりに加速させても今度はモーターがアシストするから案外と外れないで粘るようだ。

 シャシーの乗り味は穏やかで癒やし系ではあるものの、ワインディングを元気に走らせてみれば思いのほか楽しめるのがうれしい。クイックな動きではないが、ステアリングを深く切り込んでいっても舵の効きは良く、リヤはがっしりと粘りつつ、多少滑ったとしても動きがわかりやすくてコントローラブル。すべての動きが滑らかで連続性があるから、シャープさやクイックさがなくても一体感があって楽しい気持ちにさせてくれるのだ。

トヨタ・ヤリス HYBRID G( 2WD)スポーティなヤリス

TNGAシャシーが採用されるとともに、グローバルネームに統一されたヤリスは、1.0ℓ及び1.5ℓのガソリンエンジンと、1.5ℓエンジンを搭載したハイブリッドをラインナップ。さらにリヤをモーター駆動するE-four四駆も設定され多彩なラインナップを誇る。

 新型フィットに比べるとヤリスはもうちょっとスポーティなイメージが強い。TNGAによる新たなBセグメント用プラットフォームは低重心感があってサーキットを走らせてもミズスマシのようにスムーズかつ素早くコーナーを駆け抜けていく。タイトコーナーでも驚くほど回頭性が良くクルッと回り込み、それでいてリヤが破綻することもない。しかも、サスペンションは無用に硬いわけではなく、乗り心地とのバランスが良いのも新規プラットフォームの実力の高さゆえだろう。

 THSⅡのハイブリッドシステムは、e-POWERやe:HEVなど電気モーター駆動にはドライバビリティで敵わないだろうと想像していたが、エンジンも電気系も強化したことでかなりいい勝負になっている。レスポンスの良さと電気モーターのアシスト感の強さが、THSⅡにファン・トゥ・ドライブをもたらしているのだ。

  新型フィットは大いに進化して、Bセグメントの常識を塗り替えるほど上質になった。これに真っ向から対抗できるのは日本車ではヤリスだけだろう。かたや癒やし系、かたやスポーティ系とキャラクターは分かれるが、どちらも高度なのでバランスにも優れる。つまりフィットもスポーティに走らせればそれなりに楽しめるし、ヤリスはスポーティであっても快適性は十分に高い。どちらが優れているのか、あるいは好みに合うのか、早く公道試乗で直接対決させてみたい。久々にBセグメントカーでワクワクさせられる新型車の登場に興奮が抑えられないのだ。

WLTCモード燃費:35.8㎞/ℓ
直列3気筒DOHC/1490㏄ 
エンジン最高出力:91㎰/5500rpm
エンジン最大トルク:12.2㎏m/3800-4800rpm 
モーター最高出力:80㎰
モーター最大トルク:14.4㎏m 
車両本体価格:213万円

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