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トヨタC-HRを作る (アオシマ 1/32 ザ・スナップキット No.06 トヨタC-HR)【#お家でカープラ】第1回

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C-HRのカープラ

アオシマ 1/32 ザ・スナップキット No.06 トヨタC-HR。メーカー希望小売価格1500円(税抜き)

どんなカープラかな?

 現在のところトヨタC-HRのカープラは、アオシマ(アオシマ文化教材社)から1/32スケールのものが出ているだけですので、さっそく大手通販サイトで購入しました。
 実車の1/32という大きさはカープラのスケール(縮尺)としては比較的珍しいものですが、なかなかお手頃なサイズ感です。実はこのスケール、現在では走行性能重視のオリジナルマシンが主流なので意味合いが薄れたものの、「日本で一番売れたカープラ」であるタミヤの『ミニ四駆』がシリーズ開始当初に採用したスケールでもあります。
 そう考えると、組み立ては接着剤不要、カラーリングは成形色を生かしてシールで各部カラーリングを再現というこのカープラの基本コンセプトは『ミニ四駆』にかなり近しく、本格的なスケール・カープラの入門編として『ミニ四駆』あたりからスムーズに移行できる格好の製品と言えるでしょう。
 何年振りかで「プラモデルを作る」という人にももってこいなので、今回はメーカーの意向(?)を重視して、何も手を加えずに組み立ててみたいと思います。「成功体験」こそが次のカープラ作りへの最大のモチベーションですから、まずは完成を目指します。
 なお、このカープラは商品名には「トヨタC-HR」とあるだけですが、詳しく言えばC-HRの前期型、ハイブリッドのGグレードを模型化したものです。トヨタのハイブリッド車はトヨタの「T」の字をデザインしたエンブレムに青い影がついているのが特徴で、大変小さいのですが、このカープラのカラーリング用シールでもそれが再現されていますからハイブリッド車であることがわかります。またホイール形状からGかG-Tグレードなのがわかりますが、ハイブリッドなのでGですね。

 なお、このC-HRのカープラには4色のボディカラーがあり、お好みで選べます。今回組み立てたのは「メタルストリームメタリック」ですが、このほか「ホワイトパールクリスタルシャイン」、「ブラックマイカ」、「センシュアルレッドマイカ」があります。もちろんボディカラーとカラーリング用シールの色以外はすべて同じ内容です。

箱の中身。パーツの一体化をはじめとして合理化をはかっているためアッサリした印象を受ける。

組み立てに必要な道具はこれだけ。

写真のニッパーは「ミネシマ プラニッパー (D-3A)」(希望小売り価格660円・税抜き)。決して高価なものは必要ないが、模型製作用の専用品が望ましい。ピンセットは家にあった200~300円程度のもの。何でもいいが先端が尖っているものが使いやすい。シールを細部に密着させるためのつまようじはコンビニ弁当の箸などに付いてくるもので十分。このほかニッパーの切り跡を整えるカッターナイフや作業時に机などを傷つけないためのカッティングマットなどがあると良い。これらは100均で売っているもので十分。

○このカープラの感心した点

ボディカラーはボディの樹脂成形色で、細部カラーリングはホイルシールで再現しており塗装不要な点は入門者や初心者にとっつきやすい。ただし貼り難い形状のものもあるので、貼り方には工夫が必要かも?
内装はコンソールやドアトリムなどを含めて一体成型で、魚の開きみたいな状態になっている。これを前方および左右から折って壁状に立ち上げると内装が完成。1980年代後半の海外メーカー製カープラでこの手法を見たことがあるが、おそらくダイキャストミニカーからのノウハウ移転と思われる。

△このカープラでちょっと不満な点

塗装不要をうたっているが、金属や樹脂に塗装した実車ボディの質感を樹脂成形色だけで再現しようというのはやはり無理がある。丹念に金型を磨いていると思われるので光沢は素晴らしいのだが…。入門者や初心者はともかくマニアは塗装したくなると思う。
タイヤはホイールと一体成型だが裏側はくり抜かれており実感を欠いている。これはタイヤ形状を保ったままの形で一体成型しようとすると材料の厚みで熱の均等な制御が困難となり、成形収縮時にヒケ(シンクマークとも言う凹状のへこみ、窪み) が発生するのを防止するためで決して手抜きではないのはわかるのだが、やはりタイヤのくり抜き部分を埋めるパーツが欲しかったところ。またトレッド面も彫刻が無いので、トレッドを再現するシールも欲しかった。

C-HRを作ってみた

 組み立て説明書に従って作れば、たいして苦労もなく完成させられるでしょう。『ミニ四駆』やアニメのロボット物のプラモデルを作ったことがある人なら恐らく楽勝だと思います。
 このカープラの組み立てのすべてはシール貼りにあると言っても過言ではありません。ここがこのカープラのハイライトであり最大の難所です。それが何と組み立て順序の一番最初にあります。

 シールは細くて複雑な形状のものもありますので、そのまま貼ろうとするのではなく、貼りやすい大きさや長さ、形にカットしてチマチマと貼り進めるのが良いと思います。たとえばウインドモールのような「ロの字」のシールはそのまま貼ろうとすると苦戦しますから、「コの字とIの字」や「Iの字、二の字、Iの字」のように分割して貼るというのもオススメです。この辺は頭の使いどころですね。
また、シールはアルミ蒸着シールで比較的丈夫ではありますが、密着させようとして表面をこすり過ぎるとさすがに破れたり色がハゲたりしますので、やり過ぎには十分に注意してください。
 完成するとなかなかどうして、C-HRの魅力を手堅く再現したモデルとなります。ぜひトライしてみてください。

工作の流れ

組み立ての一番最初はボディへのシール貼り。実はこれがこのカープラ最大のハイライトにして難所。 ピンセットとつまようじを駆使して貼ってやるが、時には貼りやすい形にカットしてから貼るのもオススメ。こすりつけて破ったりしないよう注意したい。
ボディにすべてのシールを貼り終えた状態。もうほとんど完成と言ってもいい。
ホイールのスポーク部に貼るシールの例。細く、複雑な形状をしている。場合によっては貼りやすい形にカットしてからチマチマと貼ることも考えておきたい。
苦労してシールを貼り付けると、なかなかいい感じのホイールになる。メッキ調の銀色は塗装での再現は難しいので、アルミ蒸着のシールのメリットが出ている。組み立て説明書にはホイールのパーツを切り離してからシールを貼るように指示されているが、先にシールを貼った方が安定して作業ができる。
一体化された内装パーツを組み立ててシャシーのパーツと合体させればアッという間に下回りは完成。ここも内装パーツ、特にメーターやインパネまわりの加飾を再現したシールを貼るのに苦労するぐらい。
完成したボディを下回りと合体させれば完成。ここまで一切、接着剤は使っていない。
完成したモデルをフロントから見る。C-HRの複雑なボディ形状が上手く再現されている。特筆すべきはボディの光沢感。ここまでピカピカなカープラも珍しい。
今度は完成したモデルをリヤから。リヤランプもシールを貼ることで再現しているが、透明パーツの上からシールを貼ってしまうのはもったいない気もする。
手持ちのプラモデルで記念撮影。戦車は1/35スケールなのでC-HRの1/32スケールよりやや小さいはずだが、かなり昔のプラモデルなので厳密にスケールが適用されているわけではなく、実は1/35よりやや大きいと言われている車種。だいたい同じスケールだ。

実車を買うには?

 このカープラと同じトヨタC-HRは前期型なので、2020年4月現在、すでに中古車でしか購入できません。中古車を調べてみると価格帯はだいたい200~250万円といったところで、まだまだ新しいことと人気車種だけにあまり値崩れしていない様子。新車の後期型と大して変わらないと思った方がいいでしょう。人気はハイブリッドのGやSに集中しているようで、自然とこれらのタマ数が多くなります。丹念に探せば200万円以下のものも出てくると思いますが、しばらく待ってみた方が良さそうですね。

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