デザイン考:2人の新たなスポーツギアの形=ダイハツ・タフト デザイン考:ダイハツ新型タフトはガンガン使い倒せる道具箱「 語りかけるスズキ・ハスラー、道具箱に徹したタフト」
- 2020/06/13
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CAR STYLING編集部 松永 大演
久しぶりの懐かしい名前で登場したダイハツ新型タフトだが、かつてのクロカン4駆とはコンセプトがまったく異なる、ブランニューなモデルとなる。このタフトが軽自動車となって狙うものは、新たな形のスポーツギアだ。
WakuWakuの見せるベクトルの異なるSUVの形
新型タフトのコンセプトをよく知るためには、2019年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー、WakuWaku(ワクワク)を見るとわかりやすい。デザインを造る時には、最初は発想となるアイデアスケッチをどんどん描いていくのだが、コンセプトカーは方向性の見えてきた立体のアイデアスケッチともいえる。それもタフトについては、WakuWakuがすでに実車に近い形で登場したので、タフトの狙いが見えてくる。
WakuWakuは4ドアなのだが、後席エリアはマルチユーススペースとして、乗ることもできるがさまざまなスポーツギアの積載場所として使いやすいものとなっている。そのアイデアはルーフにも及び、フロント席側は大きなグラスルーフ、リヤ側は一体型のルーフボックスとなっている。後席以降は、人も荷物も心置きなく載せられる自由スペースという考え方だ。
言ってみるならば、コンセプト的には初代のハイラックスサーフ。北米でいう4Runner(フォーランナー)の考え方に近いように思う。
サーフはピックアップトラックの荷台を樹脂のルーフで覆うイメージから始まっている。ピックアップの利便性をオールウエザー化して、さらに人も乗れるようにしたというものだった。
WakuWakuはそうした機能を表現するために、デザインも極めて個性的。プロポーションとしては、フロントドア以降のリヤドアやルーフラインも小さく見えるようにして、運転席部分以下にユーティリティ部分を合体したような形となっている。
あえて荷室部分を小さく見せることで、まったくこれまでに見たこともない、2シーター(に見える)スポーツギアを生み出している。
WakuWakuから生産型・新型タフトが誕生
ここから生まれた新型タフトだが、やはり特徴となるのがリヤウインドウを小さくしていることだ。これによって、フロント席とちょっと違うリヤエリアをイメージさせる。また全車標準装備でグラスルーフを採用するなど、前席はサンルームのような明るさに満たされる。さらにインテリアカラーも前席と後席で分けられていて、後席側の機能が前席とは異なることが主張されている。残念ながら、ビルトイン型のルーフボックスは装備されなかったが、そのぶん頭上空間はたっぷりととられた。
ボディは直線基調というだけでは、言葉が足りなそうだ。凝縮したかたまり感を示すのに、インゴット=鋳造からの削り出しという表現が使われることがある。しかし、それともちょっと違う印象だ。むしろ、押出し材のような硬さを感じたりする。そのベースボディに機能部品を組み付けることで仕立て上げられたような形だ。面質は極めてフラットに近いながらも、薄い鉄板のペナっとした感じがなく、しっかりとした厚みが感じられる。
もはや “車かくあるべし” のデザインではなく、精密機器を持ち運ぶためのPROTEXなどのような、プロテクター・ツールケースに駆動輪を付けたようなイメージに近い。新型タフトはかつてのネイキッドとよく比較されるが、本来の目的や質感などはまったく異なると感じられる。
コンセプトカーのWakuWakuは、2人乗り +〔2人+使い倒せる荷室〕というイメージ。リヤドアの印象を消すようなコンセプチュアルなスタイルだ。“頭でっかち” なこのままの形で登場すれば、かなり個性的なものとなったはず。新型タフトでは、この後席以降のコンパクト感がなくなり、ある程度明確な4座感も打ち出された。…とは、残念な思いにはなるが、遊びの単位として4人が均等に快適なエリアを確保できるのは、決して悪くない。
ちなみにハイラックスサーフも2代目以降は、ルーフもスチールの一体型となり、ドアも4ドアとなっている。それでもサーフとしての立ち位置を明確にし続けている。
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