【毎日更新・人生最高の3台(大音安弘編)】第3位:マツダ・アテンザスポーツ/第2位:ホンダ・インテグラ/第1位:日産スカイライン GTS-t タイプM 【私の人生最高国産車・ベスト3】GT-Rよりも特別な存在だったFRクーペ、日産スカイライン GTS-t タイプM(大音安弘)
- 2020/08/21
-
MotorFan編集部
これまでの人生において、所有したり試乗したりした国産車の中からベスト3を業界人に選んでいただく本企画。
「R32」のスカイラインといえば、やはりGT-Rの存在感が強いが、大音安弘さんがベスト国産車にセレクトしたのは、R32スカイラインでもGT-RではなくGTS-t タイプM。品のあるクーペボディが大のお気に入りだったという。
TEXT●大音安弘(OTO Yasuhiro)
第3位:マツダ・アテンザスポーツ 23S(2002年-)
「FR派の私に、FFでも面白いクルマは作れることを教えてくれた」
ややマニアックとかもしれないが、3位は、初代アテンザスポーツだ。2000年頃の国産車は、強化された排ガス規制のため、国産のFRターボのスポーツカーがほぼ絶滅。エコカーやミニバンばかりがもてはやされる、クルマ好きにとっては、まさに暗黒時代だった。若き日の私でさえ、「もう国産車は、面白くなくなってしまうのか」と思っていたほど。そんなモヤモヤした気持ちを打ち砕いてくれたのが、新生マツダの星、アテンザだったのだ。
乗ったのは、眩しい「カナリーイエロー」の23S。欧州車風のスポーティなスタイリングには、黄や赤といったスポーツカー的な色が物凄く映えた。
23Sは、2.3Lの直列4気筒DOHCを搭載。最高出力178ps、最大トルク215Nmと特筆すべきスペックではなかったが、滑らかな回転フィールのエンジンとサイズを忘れさせる軽快な身のこなしを備えており、とにかく走りの気持ちよいクルマで、FR派の私に、FFでも面白いクルマは作れることを教えてくれた。
あの頃、感じた「日本車も、まだまだ面白くなる」と気持ちが、クルマの視点を変えてくれたとも思う。まさに思い出の一台だ。
第2位:ホンダ・インテグラ Si VTEC(1993年-)
「超高回転型NAエンジンのサウンドは私にF1マシンを連想させた」
今、失われつつある価値のひとつが高回転型NAエンジンの存在だ。90年代に一世を風靡したホンダのVTECエンジンは、世界に誇る名機といっても良い。冗談半分で、「ホンダはエンジンを買ったんだ!」と言ったもの。これは、ボディ剛性などの弱点があるものの、皆がホンダのエンジンに惚れ込んでいたことを象徴する懐かしのエピソードだ。
そんな私にも、中古のホンダ車を買うチャンスが訪れる。それが少しくたびれた丸目4灯のインテグラで、知人が所有するものだった。そのクルマには、スポーツマフラーが装着されていて、エンジンが高回転に突入すると、まるで脳みそがとろけそうな刺激的なサウンドを奏でた。どこかで聞いたことあるような...。そこで連想したのは、ホンダF1マシンである。同じスピリットが、このクーペにも流れていることを実感させてくれた。
残念ながら、このクルマは、決断前に不具合が見つかり、オーナーの勧めで購入を断念。しかし、暇はある学生時代、少し苦労してもVTECと付き合っておけばよかったと思う。油圧式だったVTECは、まさにホンダらしい、そして神った存在であった。
第1位:日産スカイライン GTS-t タイプM(1989年-)
「直列6気筒エンジンの回転フィールとサウンドが最高だった」
最も好きな国産車と聞かれたら、やはりスカイラインを挙げる。そのなかでもナンバー1といえばR32だ。
しかし、私が最も愛すべき一台は、GT-Rではなく、FRターボのGTS-tである。性能面では飛びぬけたRよりも、スタイリッシュで品のあるナローボディのクーペが好きだった。GT-R人気に押されて当時もR顔が流行ったが、個人的には、ナンセンス。シャープなノーマルマスクが最高だった。
私がハンドルを握れるようになった頃、スカイラインは、ラスト・スカGともいえるR34の時代。周りの友人には、R32ターボに乗る人が何人もいた。あの頃、若い走り屋には、価格もこなれたS13かR32が人気だったのだ。
そんな友人たちのR32に乗せてもらう機会も度々あった。もちろん、ボロいクルマもあったが、とにかく、どれに乗っても運転は楽しく、何よりも直列6気筒エンジンの回転フィールとサウンドが最高だった。
大好きな一台だけに、良い状態のR32を手にしたかったが、当時は、予算や縁もあり、2.0Lターボの180SXを最初の愛車に選んだ。この車も良かったが、正直に告白すれば、R32よりは劣る。ただあの頃の日産車は乗れるだけで幸せを感じられるモデルがたくさんあったことが、ただ懐かしい。今でも、R32ターボは、私にとって、特別な存在だ。
選者:大音安弘(おおと・やすひろ)
【近況報告】
在宅ワーク中心の生活の楽しみのひとつとして、始めたのが映画DVD収集。クルマに関する映画を中心にしていますが、もう数万円が飛びました(汗)。でも改めてみると、色々と半発見もあり、楽しい。いやぁ映画って、本当に良いですね(笑)。
【プロフィール】
1980年埼玉県生まれ。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『モーターファン.jp』のほか、『ベストカーWEB』『webCG』『マイナビニュース』『日経スタイル』『GQ』『ゲーテWEB』など。歴代の愛車は、国産輸入車含め、全てMT車という大のMT好き。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
マツダ アテンザスポーツ
25Z 6速ミッション クリアランスソナー オートクルーズコントロール ナビ TV アルミホイー...
中古価格 66.6万円
マツダ アテンザスポーツ
25S 純正アルミ・エアロ・コーナーセンサー・ナビ・TV・HID・フォグ・プッシュスタート
中古価格 73万円
マツダ アテンザスポーツ
23S 純正HDDナビ CD再生 ETC スマートキー HIDライト サイドエアロ リアスポイラ...
中古価格 55万円
マツダ アテンザスポーツ
ETC/バックカメラ/ナビ/Bluetooth/TV
中古価格 40万円
マツダ アテンザスポーツ
25S 保証付 禁煙車 HIDヘッドライト クルーズコントロール 革巻ステアリング パドルシフト...
中古価格 40.4万円
マツダ アテンザスポーツ
25S 6速MT/プッシュスタート/ETC/横滑り防止装置/ストラーダナビ/地デジ/HIDオート...
中古価格 70万円