Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. カタログ
  3. 日産|NISSAN
  4. エルグランド

日産エルグランド(初代)1997-2002 鮮烈な「男」ミニバン【週刊モーターファン・アーカイブ】

このエントリーをはてなブックマークに追加

ファミリーの優しさが表現されたミニバン市場に新たな光を投じた「問題作」(⁉︎)パワーや力強さといった強い父親像、エルグランドには異なる家族の価値観が投影されたのである。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

レポート=高山 正寛(90年代国産車のすべて より 2011年刊)

縦型の4灯式ヘッドライトなど、デカい顔がエルグランドらしさ。これが男っぽさを印象付けて、「お父さんのクルマ」の筆頭に。 強さもキーワードとなる。

従来までのキャブオーバー型に代わり、より快適性の高い乗用車感覚のミニバンとして開発、1987年5月に発売された。正確には当時の日産モーター系(ローレル販売会社)で販売していたキャラバンとプリンス系(スカイライン販売会社)で販売していたホーミーのミニバンモデルとしてデビューしたこともあり、車名も「キャラバン・エルグランド」「ホーミー・エルグランド」と2種類設定されていた。

そもそもキャラバンとホーミーが従来まで販売の主力としていた「商用バンからの脱却」を狙い、パワ—ユニット、内外装のデザインなどすべてを高級乗用ミニバンとして作り替えたのが最大の特徴。

ドライバー席に集中するかのようなインパネのデザイン。仕事場的雰囲気ながら決してショファーではなく、この席が強い存在感を放つのも魅力的。すべてのオペレーションはオレがやる、というような頼もしさがうれしい。いってみるならお父さんの書斎の風情がここにあるのかもしれない。

搭載されるエンジンは3.3ℓのV6エンジンと3.2ℓのディーゼルターボ、のちにディーゼルターボは1999年8月のマイナーチェンジで出力を20ps向上させながら排気量を減らし、燃費性能と環境性能も向上させた3ℓ直噴ディーゼルターボに切り替わっている。これに組み合わされるトランスミッションは全販売時期を通して電子制御式の4AT(E-ATx)となる。さらに駆動方式はFRの他、この時代としては先進的なトルクスプリット式のオールモード4×4を採用した。

2列目のキャプテンシートは実にゆったり。2代目エルグランドでカルロス・ゴーンさんが社長専用車を作ったのもナットク。
アームレストのついた立派なシート。フロントにエンジンを搭戟するFRだが、あえてよじ登るフロアの高さを実現している。

3人乗車可能な3列目シート。格納は左右に分割で跳ね上げるタイプ。床に砂の落ちやすいサーファーなどには好まれる格納方法だ。

エクステリアは1ボックスと昨今のミニバンとの中間にあたる「セミキャブオーバータイプ」と呼ばれるもの。それでも従来の商用車的なデザインとは一線を画した威風堂々、なおかつ高級感あるスタイリングが受け、大ヒットに繋がった。またインテリアは前述したセミキャブオ—バー式のメリットを生かし、フラットフロアと従来より優れた乗降性を確保、特に大型のシ—卜は家庭用の応接ソファのような高級感やゆったり感を与えてくれた。

なお乗車定員は7名と8名だが、前後席のウォークスルーを可能にする「スーパーマルチシート」を採用するなど、その使い勝手の良さは現在販売されているミニバンヘ影響を与えたともいわれている。

大きな3.3ℓV6エンジンなどを搭載。FRなのでエンジンは縦置き。エンジンルームの半分はダッシュボード部に隠れる。
エルグランドにとってタコメーターは必須。FRによる素直で上質な走りはセダンユーザーにも好感をもたれた。

また販売面では俳優でありレ—シングドライバーであった岩城滉一氏をメインキャラクターに採用、「THE BIG DREAM」のキャッチコピーと夫婦3組が一台のクルマででかけるという、ライフスタイルの新提案なども高く評価された。ちなみに当時のCMソングは小田和正の「風のように」である。今、聞き返すと当時が思い出される点もCMと楽曲のマッチングの良さがあったからだろう。

第207弾日産キャラバン/ホーミーエルグランドのすべて(1997年5月)

モーターファン別冊 その他のシリーズ 90年代国産車のすべて

■10~20年前のクルマに感動しよう!
 80年代という時代は、非常に興味深いクルマがふんだんに登場し日本の自動車史に名を残すモデルが目白押しでした。そこには80年代後半にむけて興ったバブル経済の影響も少なからずありました。逆に90年代はバブル経済の崩壊が代表的なキーワードとなることもあり、あまり良い印象がありません。同様にその当時のクルマもそれほどインパクトがあった記憶がないのです。しかし、情熱だけで押してきた80年代に対して、90年代は80年代に並行して行われていた技術開発が開花した時代でもあったのです。実は「クルマはこうあったらいいな」という思いが結実したのが90年代だったのです。そして興味深いのが、これらのクルマの多くは現在でも中古車市場で販売されている点です。程度は保証の限りであはりませんが、興味を持てたら自分のクルマにしてみるのも面白いかもしれません。

おすすめのバックナンバー

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ

Motor-Fanオリジナル自動車カタログ

自動車カタログTOPへ

Motor-Fan厳選中古車物件情報

中古車TOPへ