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「吾輩はスズキ・ジムニーである。パップテントとか、軍幕テントとか呼ばれているクラシカルなムードが漂うテントを積んで旅に出る」【スズキ・ジムニーでアウトドアへ 】

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「吾輩はスズキ・ジムニーである。1986年の生まれで、型式はM-JA71Cだ。金属のルーフもエアコンもない、切替え式のパートタイムの四輪駆動車である。錆も進み、あちこちがへこんでいるので、ゆっくりと余生を送ろうとしていたが、週に1回、旅に出る事となる」
TEXT & PHOTO○伊倉道男(IKURA Michio)

サンドカラーのパップテントは明るいイメージで魅力的。

今回、新たな仲間が加わった。パップテントとか、軍幕テントとか呼ばれているクラシカルなムードが漂うテントである。カラーはサンド。アフガニスタンとかタジキスタンとかトルクメニスタンの大地のカラーだ。ちなみにこのスタンと言う語尾は「〜の国」という意味なのだそうだ。早く平和が戻り、シルクロードを安心して旅が出来るようになってほしいものだ。

向かって右側の支柱を二股化して2本のポールを使い左右に支柱を振り分ける。テント中央からポールがなくなるので、使い勝手が上がる。
本体とは別に2本のポールを用意してひさしを作る。ロータイプのチェアーならちょうど良い感じだ。額縁に入れた絵画のような風景を楽しめる。

パップテントは昔ながらの三角テントと同じで、2本のポールを使って建てる。ポールは持参せず、自然のなかで手に入れた枝を支柱として使う強者もいる。ちょうど良い木が左右にあれば、ロープとペグだけで建てることもできる。山岳登山のエマージェンシー用のテント、ツェルトにも似ている構造だ。床はないが自由度がある、そこも魅力のひとつだ。

二股化して空いたスペースにガスストーブを入れる。温かいテント内ではカラムーチョとコーラがベスト!

パップテントのほとんどは、左右に三角のスペースを確保できるようになっている。ところがこのスペースは2本の支柱の外側であり、非常に使いづらい。そこでクルマやバイクでのキャンプでなら、積載スペースに余裕があるので、支柱となるポールを二本使い、二股化してポールの支点を左右に振り分けてやる。これでテント内の居住スペースをポールで遮られることがなく、よりスペースを使いやすくできる。そこへ暖房となる薪ストーブや灯油ストーブ、ガスストーブを入れ込んでやる。すると小さなテント内は、冬でも南国の温かさが得られる。この二股にするパーツを使えば、ティピータイプのワンポールテントにも有効で、センターにある支柱のポール2本を使い左右に分けて中央を空けることもできる。

出艇しやすい場所にジムニーを駐める。反対側にはパップテントが張ってある。ここの地表面は大きな石が多くペグは打ちにくい。

パップテントのスペースは正直かなり狭い。キャンピングベッドを入れると半分の面積はなくなる。そこはキャンピングベッドの下のスペースへ荷物を入れることにより、ある程度解決はできる。

一番のこのタイプのテントの良さはウォールを立ち上げてタープの代わりも兼ねられることだろう。日差しの強い時は日陰を作り、風を通す。就寝前の寛ぎタイムには、その下で焚き火を楽しむ。この多機能さが最も大きな魅力であろう。少しめんどくさい面もあるけれど、ドームタイプのテントとは使用目的を分けて考えていけば良い。冬はパップテントで夏はドーム。カヌーで出掛けた先でのキャンプなら、パップテントは適任だ。

上流へ向かう。ゾディアックタイプのボート用に購入したパドルは、少し短くて使いにくいのでいつものパドル。
キャンピングカーが2台。これも憧れのアウトドア。競技用のカヤックを楽しむためのキャンピングカー2台。
ベースキャンプへ戻る。スズキ・ジムニーとパップテント。やはり心強いアイテム達。

さて吾輩と新入りパップテントは、今回はベースキャンプとして留守番だ。木製カナディアンカヌーと撮影機材の帰りを待つ。温かい料理と飲物、そして寛げる空間。おっと早めに戻って来たね。さぁ、安心して陽が落ちていくのをここから楽しみながら疲れを取るがよい。そうそう、その間に吾輩はブッシュクラフトに最適な場所を見つけたぞ。そこにパップテントを張り、そのひさしの下でリメイクされた焚き火ボックスに火を入れる。今はまだ春の気配はほど遠い。だがそんな時に、ぜひパップテントでの焚き火を味わってほしいのである。

ー吾輩はスズキ・ジムニーである。型式はM-JA71C。名前はまだないー

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