三菱パジェロ(2代目）　1991-1999 4WD SUVの元祖であり、パリ・ダカの覇者として君臨！【週刊モーターファン・アーカイブ】

2021/02/11
MotorFan編集部

バブル崩壊以降、日本にクルマ社会にパラダイムシフトをもたらしたRVブーム。その口火を切ったクロカンブームの先駆者は、4WD・SUVの元祖だった。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

レポート＝小野里誠(90年代国産車のすべてより　2011年刊）

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長年練られていたジープの一般化それがパジェロに

1973年の東京モーターショーに登場した、ジープベースのオープンバギータイプのコンセプトカー、これが「パジェロ・ストーリー」の始まり。ただこれはほんのプロローグ。

当時は、４輪駆動のクルマ自体が特殊な存在のなかで、普通のクルマじゃつまらないーーとジープやランクルでオフロード走行を楽しむ像が増えてきた時代であった。そんな中で、初代パジェロが発売されたのは82年5月ーー、初代RVと呼ぶに相応しい、居住性、操縦安定性、動力性能は、従来の実用４輪駆動とは別世界のクルマであり、一気にボーむを巻き起こす存在となった。

機能重視ではなく、ラグジュアリーを意識したインテリア。パジェロの魅力は完全なオフローダーではなく、ちょっと街乗りに使えそうな手軽さああるところ。インテリアにもその意識は現れる。

そんなパジェロを育て、世界的に名声を高めたのが、世界で最も過酷と言われた「パリ・ダカール・ラリー」への参戦の歴史であった。

初代から10年が経過して91年にデビューしたのが、第二世代パジェロ。居住性、操縦安定性、動力性能はさらに高められ、世界初のスーパーセレクト4WDやマルチモードABSなどが採用され、走る・曲がる・止まる能力を高次元でバランスさせる三菱の「オールホイールコントロール理念」が完成の域に到達、名実ともにSUVの先駆者としての実力を身につけたといえる。

5ドアモデルはこの後ろに3列目のシートも装備。四角いボディは後端までルーフをきっちりと取れるため、3列目にも余裕があり視界も良い。

そこから６年、GDI・V6 3.5ℓエンジンの搭載と同時に、ミッションもINVECS-IIスポーツモード付5速ATとなり、走行性能を大幅に向上させている。

また、ボディスタイリングも進化し、武骨な4輪駆動の象徴でもあったオーバーフェンダーは、デザイン的にも洗練されたブリスターフェンダーとなっている。これは、パリダカ・モデルに近い形状でもあり魅力的であった。

良く言えばおおらかな走りーーそんなSUVのイメージを完全に覆す、軽快で俊敏な走りとハンドリングを得ることになった。

SPECIFICATIONS: 三菱パジェロ・ミッドルーフワイドEXCEED

【寸法】
全長×全幅×全高(mm) ：4680×1775×1900
【エンジン】
3.5ℓ V6DOHC 245ps/5500rpm
【価格】
377.7万円（当時）

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■10～20年前のクルマに感動しよう！
　80年代という時代は、非常に興味深いクルマがふんだんに登場し日本の自動車史に名を残すモデルが目白押しでした。そこには80年代後半にむけて興ったバブル経済の影響も少なからずありました。逆に90年代はバブル経済の崩壊が代表的なキーワードとなることもあり、あまり良い印象がありません。同様にその当時のクルマもそれほどインパクトがあった記憶がないのです。しかし、情熱だけで押してきた80年代に対して、90年代は80年代に並行して行われていた技術開発が開花した時代でもあったのです。実は「クルマはこうあったらいいな」という思いが結実したのが90年代だったのです。そして興味深いのが、これらのクルマの多くは現在でも中古車市場で販売されている点です。程度は保証の限りであはりませんが、興味を持てたら自分のクルマにしてみるのも面白いかもしれません。

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