トヨタ・セリカ GT-FOUR（1994）重厚な走りの実戦仕様車【週刊モーターファン ・アーカイブ】

• 2021/03/25

• MotorFan編集部

  

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WRCの王座に輝いたトヨタがその座を守るべく投入したのがST205のGT-FOURだ。骨太に作られたクルマによる重厚な走りはまさに王者の貫禄と言うにふさわしい。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

解説●近田 茂（90年代スポーツカーのすべて より　2016年刊）

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スペシャルティカーとして先鞭をつけたスポーツクーペのセリカ。ブランド名はそのままオシャレで優美なイメージを表現してきたが1994年2月に登場した第3世代のセリカGT-FOURは別格。特に限定2100台で発売された、大型リヤスポイラーを装着したWRC仕様車は、ランエボやWRXの両雄に割って入る極めてホットなモデルとして注目された。

何しろトヨタは古くからWRCに参戦。93年にはJ・カンクネがドライバーズチャンピョンに輝き、メイクスと共にダブルタイトルをものにした。そんなポテンシャルに裏打ちされた第3世代GT-FOURの登場は、多くのスポーツファンを魅了した。

異形4灯式ライトを空力特性も考慮して配したフロントマスクは斬新なデザインとして注目を集めた。搭載エンジンは当時最新の内容へ熟成された3S-GTE型。コッグドベルトで駆動されるDOHC直列4気筒16バルブ2.0ℓで、水冷式インタークーラーターボを備えて最高出力は255ps／6000rpmと31kgm／4000rpmの大トルクを発揮。

ビスカスカップリングのセンターデフ、トルセンLSDを採用したリヤデフのフルタイム4WDだ。前サスペンションは左右アッパーを連結するパフォーマンスロッドも備えるスーパーストラット。後はサブフレームの支持剛性を高め、各アームを長く設定したデュアルリンク式ストラットで、強力なトルクを確実に伝達する性能追求が徹底された。

トヨタ・セリカ GT-FOUR(5MT)/E-ST205-BLMVZ

【寸法】
全長×全幅×全高(mm)：4420×1750×1305
ホイールベース(mm)：2535
トレッド前／後(mm) ：1510/1485
最低地上高(mm)：145
車両重量(kg)：1380
【エンジン】
エンジン型式：3S-GTE（水冷直列4気筒DOHCターボ)
総排気量(cc)：1998
圧縮比：8.5
最高出力(ps/rpm)：255/6000
最大トルク(kgm/rpm)：31.0/4000
燃料供給装置：EFI（電子制御燃料噴射）
燃料タンク容量(ℓ)：68・無鉛プレミアム
10モード燃費(km/ℓ)：10.6
【足まわり】
駆動レイアウト：4WD
サスペンション 前：ストラット式
サスペンション 後：ストラット式
ブレー キ 前：ベンチレーテッドディスク
ブレー キ 後：ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ：215/55R16 90V