【試乗記:ホンダ・ステップワゴン】フェイスリフトとハイブリッドの新搭載で装いを一新!
- 2019/07/24
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岡本 幸一郎
当初1.5ℓターボエンジンのみで登場したステップワゴンにハイブリッドモデルが追加された。184㎰/32.1㎏mのモーターが駆動のメインを担い、そのフィーリングは3.5ℓエンジン並み!併せてスパーダはシャープ、かつダイナミックなフロントマスクを手に入れ、マイナーチェンジで片付けるにはあまりに大きな変革を受けて登場したのだ。
REPORT●岡本幸一郎(OKAMOTO Koichiro)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)/神村 聖(KAMIMURA Satoshi)
※本稿は2017年10月発売の「新型ステップワゴンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。
待望のハイブリッド導入でステップワゴン大逆襲!
2015年に現行ステップワゴンの実車を初めて見た時に、少なからず衝撃を受けたように記憶している。いろいろ事前情報は耳にしていたが、本当に驚かされたからだ。それは特徴的なエクステリアデザインに、独創的な「わくわくゲート」、国産ミニバン初の直噴ターボエンジンの採用など。非常にユニークなミニバンが出たな、と目に映ったものだ。
そんな話題性もあって発売直後には順調な滑り出しに見えたが、その後のステップワゴンの売れ行きは競合車に比べると芳しくなく、やや伸び悩んだ部分があるのは否めない。
それにはいろいろな理由があると思うが、ステップワゴンの場合はなにぶん下にフリードという、非常に出来の良い弟分が存在することも少なからず影響しているはず。あるいは、当時の担当デザイナー氏がよりシンプルで時間耐久性のあるものを、との思いを反映したスタイリングは筆者は理解できたが、イマドキのミニバンユーザーが求めるトレンドからすると、いささか押し出しに物足りなさを感じなくもなかった。
今回のマイナーチェンジでフロントマスクに大きく手を入れ、印象がだいぶ変わったことも販売的には良いほうに働くはず。ある部分の意匠を大きく変えると全体のバランスが崩れることもありがちだが、そういった印象もない。元々配されていた印象的なボディサイドのラインとの調和も巧みに図られている。
そしてもうひとつの大きなポイントが、いずれ出ると言われていたハイブリッド車の追加だ。オデッセイへのハイブリッド追加もそうだったように、現行型の発売から2年半もの時間が経過しており、ステップワゴンに積むにあたってもそれなりに時間を要したわけだが、ハイブリッド車に関心を持っている人は少なくないことだろう。
この待望のハイブリッド車はスパーダのみの設定。エンブレム以外のガソリン車に対する外観での識別点は、デザインの異なる16インチアルミホイールや、ドアハンドルがクロームメッキとなること、リヤコンビランプ内のインナーレンズがクリアであることなどが挙げられる。試乗車両の深みのあるボディカラー「フォレストグリーン・パール」も、ハイブリッド専用の新色だ。
インテリアにもいくつか違いがある。ハイブリッドの専用装備としては、マルチインフォメーション・ディスプレイ、パワー/チャージメーター、ハイブリッド専用セレクトレバー、電子制御パーキングブレーキスイッチ、オートブレーキホールドスイッチ、EVスイッチ、1500W電源、USBジャック、大型センターコンソールトレーなどがある。
この大型センターコンソールトレーは、バッテリーの搭載によって運転席と助手席の周辺の床が膨らんでしまうことに対する苦肉の策だそうだが、結果的に使い勝手がさらに良くなったように思う。高さを抑えているので1列目と2列目の間のウォークスルーを妨げないところも良い。
また、フロアが盛り上がっているため、ハイブリッド車の表記上の室内高が20㎜小さくなっているのだが、まったくそうとは感じられない。運転席と助手席の下まで盛り上がっているので、2列目の乗員にとっては前席シート下の足入れ性が悪化しそうだが、実際には適度な角度がついて、より足を置きやすくなったと感じられたほどだ。
そのほか、内装色に新たに設定された、カーボンタイタニウムフィルムを用いたダッシュボードが見せる新感覚の質感がなかなか興味深い。上級のブラック×パープル内装を選ぶと、シルバーモールディングの組み合わせによる精悍かつ上質な雰囲気が、スパーダのキャラクターによく似合う。これに備わる新素材の本革/合皮のコンビシート(オプション)も、見栄えが良く着座感も上々だ。
なお、17インチホイールを履くほか数々の専用加飾で人気の高い「クールスピリット」はガソリン車のみの設定。ひとまずハイブリッド車には設定されていないのだが、ユーザーからの声によっては今後追加設定も考えられなくはないようだ。
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