Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. カタログ
  3. ホンダ|HONDA
  4. アコード

ホンダ新型アコード『伝統のリノベーション』セダンの、そしてアコードの刷新を掲げて登場した10代目の走りはどうだ?

  • 2020/04/17
  • ニューモデル速報
このエントリーをはてなブックマークに追加

欧州プレミアムセダンに匹敵する完成度の高い走り

 では、肝心な走りはどうなのか?一般道では走り出した瞬間から剛性の高さを感じるボディ、無駄な動きは抑えるが動かすところはシッカリ動かすサスペンション、滑らかで芯のあるステアリングなど「プレミアムセダン」の領域に入っている。快適性もとても高く、ドライブモード「コンフォート」はともかく「ノーマル」でもしなやかな足の動きやアタリの優しさ、ギャップ乗り越え時のシットリとした足の動かし方などはレジェンドを超えホンダ最良の仕上がりで、同クラスのライバルと比較してもトップレベルと言っていい。

 高速道路では抜群の直進安定性の高さを実感したが、これはフットワーク系の進化に加えて空力性能の改善も大きく寄与しているはずだ。むしろ、ホンダセンシングのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)とLKAS(車線維持支援システム)の制御の甘さの方が気になってしまったくらいである。静粛性の高さも印象的で、遮音材/吸音材の最適配置はもちろん、ロードノイズ低減はタイヤ(レグノGR-EL)やノイズリデューシングアルミホイールも大きく貢献している。

 ワインディングでは新型アコードのもうひとつの顔を知ることになった。FFとは思えない前後バランスの良さ、無駄な動きを抑えたボディコントロール、四輪の接地性の高さなどが相まって、まるでボディサイズや車両重量がひと回り小さくなったかのような「軽快感」と「一体感」を備えているのだ。フロントはアンダー知らずでグイグイとノーズが入るのにリヤは四駆のような鉄壁の安定感と、「意のまま」と「安心感」が高度にバランスされたハンドリング。ちなみにドライブモード「ノーマル」でもスポーティセダンを超えるレベル、「コンフォート」は姿勢変化が若干大きくなるものの、ワインディングレベルでもまったくへこたれない。

 驚きはブレーキで、回生協調ブレーキながらもタッチ、コントロール性ともにメカニカルブレーキと錯覚してしまうくらいの自然なフィーリングで、ストローク感がやや少なめな以外は何も知らされなければわからないレベルだろう。

 ドライブモード「スポーツ」を選ぶと、ステアリングはダイレクト感重視、サスペンションやアジャイルハンドリングアシストは俊敏性重視、パワートレーンはアクセル操作に対する加速レスポンスのアップに加えて、アクティブサウンドコントロールにより控えめながらマルチシリンダーエンジンのような勇ましいサウンドがプラスされる。その走りはノーマルグレードでありながらもかつて歴代アコードに設定されていた「Si」「SiR」「ユーロR」「タイプS」など走りにこだわりのあるモデルの流れを組んだ末裔と言ってもいいレベル。ズバリ、「快適性を備えたスポーツセダン」の走りを高いレベルで実現している。

 実は乗る前は「見た目はスポーティでも、北米メインのモデルだから走りは大味だろうな」と思っていたが、いい意味で裏切られた。個人的にはシーンに応じて「プレミアム」と「スポーツ」、どちらにもなれる走りのキャラクターの二面性こそが、新型アコードにおける「ホンダらしさ」だろう。

 宮原氏は「走りに関してはグローバル1スペックで開発。ボディサイズを感じさせない『一体感』と『軽快感』が特長です。欧州プレミアムに負けない走りだと自負しています」と語るが、それには偽りはなかった。

 総じて言うと、セダンとしての完成度はとても高いレベルにある。スタイリッシュなエクステリア、機能的で高品質なインテリア、そして欧州プレミアムに匹敵する走りと快適性は、歴代アコードの「変わらない良さ」と十代目としての「変わった良さ」が上手く〝調和〟した一台である。価格は465万円と決して安くはない。なかには「若返りといいながら、若者はそんな高価格では買えない」という声も出るだろう。ただ、アコードの若返りとは「無理に若づくりすること」「若者に媚びること」ではなく、「若い人が見て『おじさんカッコいいよね‼』といったような憧れの存在になること」だと考える。

 ちなみにすでに発売中の北米/中国ではユーザーの平均年齢は下がっていると聞くが、日本ではどう評価されるのか? 日産スカイライン「400R」は「走り屋オヤジ」に向けた商品企画を行なった結果、若い人からも注目度が上がっていると聞いている。「セダンは売れない」と言われる時代だが、売れるセダンは存在する。アコードはそんなモデルになれる素性はある。十代目にしてアコードの「新たな挑戦」が始まった‼

モーターファン別冊・ニューモデル速報 Vol.595 新型アコードのすべて

走りをデザインした十代目
e:HEV搭載。アコード初のアダプティブ・ダンパー標準採用。
ドライビングインプレッション
ライバル車比較試乗
開発ストーリー
メカニズム詳密解説
デザインインタビュー
使い勝手徹底チェック
バイヤーズガイド
縮刷カタログ

おすすめのバックナンバー

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ

Motor-Fanオリジナル自動車カタログ

自動車カタログTOPへ

Motor-Fan厳選中古車物件情報

中古車TOPへ