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初代ホンダ・オデッセイ(1994-1999)ミニバンがファミリーカーの中心に【週刊モーターファン・アーカイブ】

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あえて乗用車と同じスイング式ドアを採用。スライドドアに比べて、レール部分の設置が必要ないので室内を広く使える。

オデッセイ以前にも3列シートの常用ミニバンは存在したが、これほどまでに時代を変える存在ではなかった。なによりもミニバンを特殊なレクリエーショナル・ビークルではなく、普通のファミリーカーにしてしまったのだから……

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

レポート=高山 正寛(90年代国産車のすべて より 2011年刊)

まるでセダンみたいに低く見えるボンネットだが、今見るとタイヤの小ささを実感。

3列シート用い、多人数乗車を可能にしたのがミニバン。このミニバンという呼称を日本の自動車市場に根付かせた功労者といってもいいのが1994年10月に発表されたホンダオデッセイである。それまで日本で販売されていた多人数乗用車の多くは商用車をベースとし、エンジンを床下に搭載するFRまたはミッドシップレイアウト。いわゆるキャブオーバー型が主流だったが、ホンダはアコードのプラットフォームをキャリーオーバーし、ボンネット内にエンジンを搭戟するFF(4WD車も設定)だ。従来モデルに比べ、全高の低い多人数乗用車というコンセプトで開発したのである。

これまでのセダンやクーペにありがちな攻撃的な顔つきとは違い、ほのぼのとさせるデザイン。いってみれば草食系動物の仔まいで、女性にも付き合いやすさを印象づける要素となっている。

乗員は7人または2列目にキャプテンシートを採用した6人。搭載するエンジンは当初2.2ℓ直4に4ATを組み合わせたが、1997年8月のマイナーチェンジでは直4エンジンを2.3ℓに変更、その年の10月には3ℓV6を搭載した「フレステ—ジ」も追加するなど多彩なバリエーションも特徴のひとつだ。

とりわけ乗用車を意識するわけでもなく、広い室内を邪魔しないフラットなインパネ。また左右ハンドルの適応に共用部品が多く、製造に秀でているものも特徴。助手席部分上部にはちょっとした物が置けるスペースも確保された。

オデッセイが爆発的なヒットとなったのは歴史が証明しているが、このヒットの裏にはアコードをベースにした戦略が貢献している。そのひとつはキャブオーバー型の場合、パワーユニットがシート下に配置されることで振動や音がよりダイレクトに室内に入ってくるのに対し、オテッセイの場合は今までの乗用車と同様の快適性を得ることができた。

見やすさのお手本ともいえる、きわめてシンプルなメーターパネル。北米主体であればそれほどタコメーターは必要とされないが、その後のモデルを見るとやはり日本では必要だったようだ。

また乗降性に関しても、従来までの「よじ登る」といった感覚に対し、こちらも「乗り込む」乗用車感覚で使るる点も評価された。そしてもうひとつが大幅なコストダウンによる低価格である。体積が大きく鋼材を多く使っミニバンであれば車両価格が高くなってしまうのが常識だが、オデッセイの場合プラットフォームの流用などにより最廉価のSグレ—ドで179万5000円(FF車の東京地区)というプライスタグを付けてきた。

これによりライバルメーカーも、その製造プロセスや価格設定への研究を余儀なくされた。それほどオデッセイが市場に与えたインパクトは大きかったのである。

フロアの低い3列シートを採用。セダンのしゃがんで乗る感覚から、立った状態でお尻を少しだけかがめる感覚の乗りやすさも実現。周囲よりちょっと高いアイポイントは、後席の人にも見晴らしが良い。フロアの低さは、リヤホイール内側に3列シートを設置することにより、2人乗車が限界となる。

そしてヒットを後押ししたのはハードだけでなくソフト、つまり販売面での戦略の巧みさも忘れてはならない。当時、映画化された「アダムスファミリー」の出演者を総動員、「幸せづくり研究所」のキャッチコピーは80年代のシティに匹敵するほどのインパクト。クルマによる新しいファミリ—&ライフスタイルの提案として受け入れられた。

第154弾 HONDAオデッセイのすぺて (1994年11月発売)
第260弾 新型オデッセイのすべて (1999年12月発売)5年後に発売された2代目。初代が大人気のため完全なキープコンセプトで登場。初代の不満点を洗い出し、より扱いやすく。さらに3ℓ V6には5ATを採用し、走行性能もアップ。

SPECIFICATIONS:L 7人乗りFWD(4AT)

【発表】1994年10月20日
【価格】245.5万円(当時)
【寸法・重量・性能】
全長×全幅×全高:4750×1770×1675mm
ホイールベース:2830mm
トレッドF/R:1525/1540mm
車両重量:1510kg
10モード燃費:10.2km/ℓ
【エンジン】
型式:F22B
種類:直列4気筒SOHC
総排気量:2156cc
圧縮比:8.8
最高出力:145ps/5600rpm
最大トルク:20.0kgm/ 4600rpm
燃料噴射装置:PGM-FI
燃料タンク容量:65ℓ
【走行伝達装置】
駆動:後輪
サスペンション前:ダブルウイッシュボーン式
サスペンション後:ダブルウイッシュボーン式
ブレーキ前:ディスク
ブレーキ後:ディスク
タイヤ・サイズ:205/65R15

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