マツダCX-30とトヨタC-HR、三菱エクリプスクロス、レクサスUXを徹底比較!〈ライバル車比較インプレッション〉|SUVレビュー
- 2019/12/22
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岡本 幸一郎
活況を呈するSUV市場の中でもさらに多様な車種がしのぎを削るコンパクトSUV数多いライバルの中にあって、埋もれてしまわぬように己の個性を主張し合う各モデルたち。果たしてマツダのCX-30にはどれほどの実力が与えられたのか!?
REPOTRT●岡本幸一郎(OKAMOTO Koichiro)
PHOTO●小林克好(KOBAYASHI Katsuyosi)
※本稿は2019年11月発売の「マツダCX-30のすべて」に掲載されたものを転載したものです。
自身の特徴を主張する四車四様のスタイリング
グローバルではひとつ上のクラスが販売のメインだが、日本ではこのクラスのシェアが近年ますます高まっている。そこにマツダはすでにCX-3を送り込んでいたが、いささか小さ過ぎたせいか販売的には伸び悩んでいた。ところがサイズの拡大が図られたCX-30は、後席の居住性や荷室の広さの大幅な拡大が図られたことで、ここで取り上げるライバルたちとわたりあえるパッケージングを得た。
ボディサイズは全長と全幅については4台とも近い数値だが、このクラスはここで取り上げていない車種を含めても車高を1550㎜以下にとどめたクルマが増えており、この中で全高が1550㎜を超えているのはエクリプスクロスのみ。もはや超えている方が珍しい感じになりつつある。ライバルの3モデルについてざっと述べたい。
トヨタが放った意欲作であるC-HRは、それまで3年にわたり販売台数で首位の座にいたホンダのヴェゼルに代わって一躍ベストセラーに上りつめた。現在はさすがに一時の勢いこそないものの、2019年秋にGRモデルを追加するなど新しい動きも見せている。ハイブリッドとガソリンダウンサイジングターボが用意されており、販売比率はハイブリッドが圧倒的に高い。
18年3月に登場したエクリプスクロスは、スタイリッシュなクーペフォルムをまといながらも実用性も十分に確保するとともに、三菱が誇る四輪制御技術により条件を問わず優れた走行性能を実現した実力派である。当初はガソリンダウンサイジングターボのみだったところ、19年6月に待望のクリーンディーゼルが追加されて以降はそちらが売れ筋だ。
もう1台は18年10月にレクサスSUVの末っ子として加わったUX。末っ子といってもボディサイズこそ他の3モデルと近いものの、価格は今回の中でも突出して高いわけだが、優劣ではなくプレミアムブランドのエントリーモデルがどのようなものなのか、参考として持ち込んだ。エンジンはガソリンの2.0ℓ自然吸気と2.5ℓのハイブリッドという2本立ての設定になっている。
スタイリングについて、近年では個々の車種がより自身の特徴を強調する傾向がますます高まる中で、今回の4台もそれぞれ個性をアピールしている。
デザインの奇抜さにおいては、C-HRを超えるクルマは世界を見渡してもそうそうない。トヨタとしても、こうしたクルマが長く売れるはずもなく、好きになった人だけ買ってくれればよいというつもりでつくったクルマのようだが、これほど多くのユーザーが共感するとは予想をはるかに超えていたようだ。
他メーカーだと企画の段階で躊躇しそうな、こうしたクルマを世に送り出せるのもトヨタの強さ。そしてそれが世に受け入れられて売れるという好循環を生んでいる。
UXは各部を尖らせた新感覚のデザインが独特。一見するとあまりSUVっぽく見えないのは、このクラスはこれぐらいがベターと考えたからか、あるいは上にNXやRXというよりSUVらしいクルマが控えていることから、あえて差別化を図るべくこうしたのだろう。
その点では、上にCX-5やCX-8が控えたCX-30も同様で、車高を抑えるとともに驚くほど幅広くクラッディングパネルを配してボディを薄く見えるようにし、スタイリッシュさを表現している。キャラクターラインをまったく入れていない滑らかなボディパネル独特の雰囲気を醸し出している。
一方エクリプスクロスは反対に、キャラクターラインを多用してシャープさを強調しているのが特徴。キャッチーなフロントマスクや、クーペライクなフォルムながら車高を高めにしたのは、三菱のSUVとして期待されるものが何なのかを踏まえてのものだろう。ベースであるアウトランダーとRVRの間を埋めるだけでなく、ひと味違った個性が与えられている。
MAZDA CX-30 XD L Package (FF)
直列4気筒DOHCディーゼルターボ/1756㏄
最高出力:116㎰/4000rpm
最大トルク:27.5㎏m/1600-2600rpm
車両本体価格:306万9000円
WLTCモード燃費:19.2㎞/ℓ
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