【ホンダ 新型フィットe:HEV × 4WD】新型FIT に感じた「女性視点の心地よさ」とは? 開発責任者と語る 新型フィットにみる「女性視点の心地よさ」モータージャーナリスト・藤島知子さんが、ホンダ 新型フィット e:HEV × 4WDを雪上試乗! PR
- 2020/03/21
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MotorFan編集部
スポーツドライビング好きの視点や女性の視点、ライフスタイルの視点からクルマをレポートするモータージャーナリストの藤島知子さんが、ホンダのテストコース[北海道鷹栖プルーピンググラウンド]で新型FITの4WDに試乗。
雪道での走行経験も豊富な藤島さんが、e:HEVと4WDを組み合わせた乗り味についてどう感じたのか。新型FIT開発責任者・田中健樹氏と対談した。
特徴はハイブリッドシステムと四駆システム
藤島:コンパクトカーは日常の足であり、アクティビティに出かける手段でもあります。ハイブリッドシステムと四駆システムを組み合わせたコンパクトカーというと、Hondaさんの「FIT」以外にもトヨタの「ヤリス」、飛ぶ鳥を落とす勢いの日産「ノートe-POWER」もありますね。
田中:Hondaは、けっこう前からハイブリッドシステムと四駆システムの組み合わせをやってきました。訴求がうまくないので伝わらなかった部分もありますが、一番早かったんじゃないですか。今回のハイブリッドシステムは、2モーターの「e:HEV」で、さらにおもしろいクルマに仕上がっています。
藤島:これまで、コンパクトカーにはi-DCDという小型のハイブリッドシステムでしたが、新型FIT にはi-MMDという贅沢なシステムを使っていますよね。
田中:もともとi-MMDは中大型車用で、小型車への搭載はあまり想定していませんでした。中大型車用に開発したので、全長4mの小さなクルマに載せるのは難しかったですね。ただ、小さくするのはHondaの得意技。最終的に実現させることができました。
藤島:今日の試乗会には、e:HEV で四駆という組み合わせに興味を持ってやってきました。実際に乗ってみると、ほかのメーカーのクルマとFITは全然違いますね。
田中:四駆システムでいえば、メカニカルにつながっているのが一番の違いです。他社でいうと、後ろのタイヤを小さなモーターで動かすものが多いですが、新型FITはフロントモーターの力をリヤタイヤにも伝えることで、リヤの駆動力を大きくできるのが特徴です。ビスカスカップリングは使い古された技術ではありますが、古い技術をいままでと違う使い方をしているのがおもしろいところです。
藤島:街乗りではモーターがフロントタイヤを駆動させ、後輪に動力を伝える。すると、なぜおもしろみを発揮するんですか?
田中:ビスカスカップリングは、フロントタイヤが滑ったらリヤタイヤに駆動が伝わる機構です。つまり、フロントが滑らないかぎり仕事をしませんが、モーターを使ってフロントが少しだけ滑った状態をキープすると、ビスカスカップリングが常につながった状態になる。モータートルク特性は滑らかで、2モーターシステムは変速機構がないため、ギヤの途切れがなく駆動が常に安定していることを上手く利用しました。
FITの四駆システムが活かせるシーンは?
藤島:ほかのメーカーの車種の多くはモーターアシスト式の四駆システムで、リヤタイヤをサポートしています。実際にメカニカルにつながっている四駆システムは、どんなシーンで活かせますか?
田中:発進時はもちろん、コーナーを曲がってアクセルを開けて立ち上がる場合や、交差点を曲がって次の直線に向かってアクセルを開く場合といった、滑りやすいシーンですね。日常生活の滑りやすいシーンでも、安心して曲がっていただけます。
藤島:雪上で乗り比べて、それらの違いに驚きました。他社のリヤモーター方式の四駆はモーターが小さくて、街なかの発進シーンでは、走り出しのクルマのゆらぎを抑えてくれるものの、車速が上がるとアシストが効かなくなりますよね。新型FITはそのまま車速を伸ばして、時速50kmくらいで曲がりながら立ち上がると、ちゃんと路面を掻いている感じがあります。
田中:まさにそこが一番大きな違いで、安心して曲がっていただけるポイントです。
藤島:今回、全車同じタイヤを履いていましたが、驚いたのがタイヤの使い方もこんなに違うのかという点です。クルマによっては、路面の凹凸で揺さぶられて、タイヤと路面の接地感のなさに不安を覚えるシーンや、クルマ自体の縦への揺すられ感に不快感があったものもありました。新型FITはやさしい乗り味で、雪の路面でも快適に心地よくドライブできました。
田中:基本性能の良し悪しは、通常のアスファルトの路面より雪上のほうが出やすいですね。制御の介入度合いの違いも、如実に現れます。
藤島:どのクルマにもタイヤは付いているはずなのに、FITは走り出しの5~10mで違いを感じます。それは、タイヤの感触が伝わってくる感覚。今回のFITは、タイヤが接地している感覚が確かにあるんです。ハンドルをちょっと切ると、曲がる準備ができているんだという安心感が、感覚的にも伝わってきます。
田中:そのあたりの領域は、乗り心地を追求した結果だと思っています。雪道に限らず、乗り心地を良くするために、サスペンションを動きやすい設定にしました。しっかり動くサスペンションなので、悪条件でもタイヤの接地を維持できて、常に路面にくっついている感覚がある。それが乗り心地につながっています。
藤島:タイヤの性能を使いこなせているからこそですね。それって、人の感覚に寄り添って磨き上げたという感覚。下り坂のカーブを走るとヒヤッとすることもありますが、ブレーキを踏んでハンドルを操作する一連の流れも、人の感覚に合わせて素直に動いてくれる。そういったやり取りが、安心感につながります。
いつまでも乗っていたいクルマだと思いました
田中:四輪駆動はもともと、4つあるタイヤをすべてしっかり使うのが、発想の原点。今回FIT で目指した、四輪の接地を担保しているサスペンションは、安心感、素性の良さにつながっています。
藤島:走り好きな目線でも、いつまでも乗っていたいクルマだと思いました。雪上で滑り出した時の電子制御のかかりは、クルマごとに大きく違いますよね。横滑りし始めると、まるで横に壁があるかのように動くクルマもあれば、突然横を向き始めてスピンモードに入るクルマもあります。FITの滑り方は自然なリズムで、ドライバーがどれだけコントロールしたらいいかわかりやすい。メカニカルにつながっている四駆のおかげで、アクセルを踏めばクルマが立ち上がって、ハンドルを切った方向に進んでいくから、思いどおりの姿勢を作っていけるのが気持ち良かったです。素直に笑顔になっちゃいました。
田中:開発時のキーワードは、いつまでも乗っていたくなるような、ストレスがない心地よさを目指しましたので、そう言っていただけるのが一番うれしいです。
藤島:ストレスが少ないと言えば、ドライビングポジションも良かったです。
田中:新型FIT はドライビングポジションを最適化。アクセルペダルやブレーキペダルのレイアウトを見直して、ステアリング位置や調整範囲も改良しました。そのあたり、感じてもらえましたか?
藤島:女性の場合は、シートを目一杯前よりにスライドさせる人が多いですが、その位置からでも、膝が当たることなくブレーキペダルとアクセルペダルを踏み変えられて違和感がありません。まるで、手足をそのまま伸ばしているような姿勢。身体の余計なところに力が入るとストレスがかかりますが、自然体でいられる。ストレスなく、安全に意識を向けられるので、運転中の余裕につながります。
田中:シートの調整範囲が狭いと、身体が小さい人、もしくは大きい人のどちらかに違和感が出ますからね。今回は、身長150 cm以下から180 cmオーバーまで、どなたも最適なポジションでリラックスして、心地よく運転できる設計にしました。
いろんな暮らし、いろんな価値観がある「いま」にピッタリ
藤島:新型FITは自分らしさを与えてくれるクルマですね。自然体でいられるクルマってありそうでなくて、自分らしくいられることでよりアクティブになれると思います。四駆のコンパクトカーでも、安心感や走る楽しさでいえば、FIT をほかのクルマと一緒にしないでという気もします。
田中:今回のFITは、出しゃばらない。乗る人が主役で、クルマ自体は主張しない。それはいまおっしゃっていただいている、乗る人が心地よく、ストレスなく、いかに日常で使ってもらえるかを考えてのことです。
藤島:コンセプトの「用の美」は、自分らしく使いこなしてこそ。iPhoneも、使いこなせなくては意味がありません。使うことで人の能力が広がって、行動力を高めてくれて、人の生きがいにつながる。それがじつは大事なことですよね。
田中:僕らエンジニアは、どうしてもプロダクト中心に見ちゃいますね。やっぱり、使う人がいかに生き生きと暮らせるか。そういう視点で言っていただいたのが新鮮でした。
藤島:新型FITには、人を幸せにする要素がすでに入っています。いろんな暮らし、いろんな価値観があるいまの時代にピッタリのコンパクトカー。今後も、田中さんが思ってらっしゃる発展をしてもらいたいですね。
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WLTCモード燃費 23.2km/ℓ
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