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ホンダCR-Xデルソル 1992-1995 ロードスターは世界に波及!そして迷走も⁉︎【週刊モーターファン・アーカイブ】

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直接的にバッティングするキャラクターではないものの、やはり比較されてしまうロードスターとのショット

トヨタMR-Sにも増して混迷を極めたクルマがあった。
CR-X。初代、2代目と続いてFFライトウェイトのイメージリーダー的ポジションだったが3代目では一変して、オープンエアを楽しむモデルとして登場した。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

レポート=ウナミ 哲也(90年代国産車のすべて より 2011年刊)

リヤから見るとミッドシップを思わせるBピラー処理が新鮮。実はデルソル発表前の各雑誌ではこのピラー形状から「3代目はミッドシップ⁉︎」といった情報も流れた。

MR-S以上にファンを混乱させたクルマがあった。3代目CR-X。「デルソル」のサブネームを持つこの車両は従来モデルが2世代にわたって築いたクイックなハンドリングを身上とするFFスポーツから性格を変えて、タルガトップをそのコンセプトの中心に据えて、つまりオープンモデルであることを主軸にしたクルマヘと変貌を遂げた(「デルソルとはスペイン語で太陽の意)。

しかしこのデルソルの場合には「ロードスターに影響を受けた」というのは正しくない。こうした大きな方向転換を迫られた理由は、実は任意保険料の高騰にあった。

初代CR-X
2代目CR-X

CR-X、とりわけ2代目の『サイバースポーツ』というペットネームを与えられたモデルは初代よりも明確にスポーツを意識したハンドリングヘと進化していた。これによって若者人気はさらに拡大したのだが、それに伴って事故件数も増加し、もはや一般的な若者では支払えないほどの保険料になってしまったのだった。そしてこの現象は日本だけでなくホンダの主戦場である北米でも同様の状態となっていた。

そこで急きょ、3代目CR-Xはスポーツ路線から大幅に舵を切って「ファンカー」としての方向を模索せざるを得なかったのだ。

【完全2シーター】これまで曲がりなりにも「シート風のもの」がついていたCR-Xだったが、デルソルでは完全な2シーターとなった。全高は1.3mを切っている‼︎
【VTECは健在】2代目の途中から追加された可変バルタイ&リフト機構 「VTEC」 を搭載した1.68エンジンは継続して採用された。また、1.5ℓのSOHCエンジンもラインアップされている。

こうして登場したデルソルはサイバーに対して平均して約100kgもの重量増となり、ハンドリングも落ちついた方向へとシフトした、まったく異なる性格となった。そしてこのことにより従来のCR-Xファンはこれをサイバーの後継モデルとみなすことはできず、また一般的な自動車ファンにとっては(MR-Sと同様に「またしても」だが)「ロードスターのほうが安定株だ」ということになってしまう結果となった。

しかし、デルソルの名誉のために付け加えておくと、電動でトップを開閉する「トランストップ」(オプション装備)は現在のオープンモデルの主流となっているCC(クーペ・カブリオレ)形式の先駆けといえるものであり、さらにフルオ—プンで「ない」ことがゆえに完全に独自のキャラクターを形作ることに成功していたといえる。

このモデルも「CR-Xの名がなければ……」。そして「ロードスタ—がいなければ……」の1台なのだ。

【世界初の機構=トランストップ】デルソルでは全車のルーフ部分が着脱可能なタルガトップ形式を採用していた。が、注文装備という形でこのルーフ開閉を電動で行う『トランストップ』という機構が用意されていたのだ。これはプジョー206CCに端を発した折り畳み式機構とは異なり、独立したルーフ版をトランクに設置されたリフトが「取りに行く」という「超絶」機構(奇行?)である。素晴らしい!

【ポディサイズは拡大された】先代のサイバーCR-Xに比べて全長で20cmほど伸びたボディは伸びやかな印象を与える。改めて見ると、なかなかいいじゃないか‼︎

SPECIFICATIONS:CR-Xデルソル FWD(AT)

【寸法】
全長×全幅×全高(mm) :3995×1695×1255
ホイールベース(mm):2370
トレッド前/後(mm):1475/1465
車両重量(kg):1110
【エンジン】
エンジン型式:B16A型 直4DOHC
総排気量(cc):1595
圧縮比:10.4
最高出力(ps/rpm) :170/7800
最大トルク(kgm/rpm):160/7300
燃料供給装置:電子燃料噴射式
燃料タンク容量(ℓ) :45
【足まわり】
駆動レイアウト:FF
サスペンション(前):ダプルウイッシュボーン/コイル
サスペンション(後):ダプルウイッシュボーン/コイル
ブレーキ(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(後):ディスク
東京地区標準価格(万円、当時):189.3万円

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