モーターファン1971年3月「モーターファン・ロードテスト」再録[トヨタ・セリカ(A20型)/カリーナ(A10型)] 福野礼一郎のクルマ論評4 モーターファンロードテスト現代の視点 トヨタ・セリカ(A20型)/カリーナ(A10型)
- 2019/10/01
- Motor Fan illustrated編集部
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ねらいは”人間優先”
好みのクルマが選べる?
あえてOHVを選ぶ
”すなおなクルマ”
トヨタ車では異色の運動性
ゆったりした前席——セリカ
動力性能試験結果
燃料性能試験結果
重量、アライメント、ブレーキ試験結果
操作性安定性試験結果
寸法測定結果
視野測定結果
福野礼一郎のクルマ論評4を読み解くためのページ[トヨタ・セリカ(A20型)/カリーナ(A10型)
重量、アライメント、ブレーキ試験結果
運輸省交通安全公害研究所 自動車安全研究室
1. 重量
車両重量はスペアタイヤ、工具付、燃料ほぼ満タン(50ℓ)で971kg(カタログ値940kg)であった。
左右の重量配分は、前輪右側が左側より22kg重く、ひとり(運転者)乗ったばあいは46kg重い。前後重量配分は、フロントが552kg、リヤが419kgで57:43となる。前席にひとり、あるいはふたり乗ったばあい、フロントの配分がやや減少し、定員(5名)乗車時には51:49程度になる。
占有面積は6.65㎡で、占有面積当りの車両重量は141kg /㎡となる。総重量当りの出力は94.8ps/tonである。
2. 車輪アライメント
ひとり乗った状態では、前輪のキャンバーはほとんどなく、トーインは中程度ついている。後輪もキャンバーはほとんどついておらず、トーアウト気味になっている。乗員数による変化はほとんどみられない。
3. 主ブレーキ
(1)ペダル作動
ブレーキのききはじめの踏力は、前輪で4kg、後輪5kgとやや大きく、ききはじめペダル・ストロークも30~40mmと大きい。前後輪のブレーキがききはじめてから、真空サーボの休止するまでの平均ばね定数は0.7kg/mm程度でやわらかい。
サーボの休止点は踏力25kg、減速度0.6Gふきんと思われる。
(2)ブレーキ力
ブレーキ形式は前輪ディスク、後輪はリーディングトレーリングで、マスターシリンダはダイレクト・アクティング・ブースター付のタンデム式である。後輪には油圧コントロール・バルブ(Pバルブ)がついている。
0.6G踏力は、ブレーキ・テスターで25kg、路上でも25kg(車速50km/h)である。後輪のPバルブの作動点は踏力約15kg、減速度0.4G(フル積載時)あたりである。
ブレーキ力のアンバランスは、前輪にはほとんどみられなかったが、後輪は左側がききがわるかった。このため、路上で急制動をかけたとき、クルマの停止姿勢が右を向く結果となった。
ブレーキ力の前後配分は、Pバルブの作用前は50:50に近いが、Pバルブ作動後は55:45程度になる。
4. 駐車ブレーキ
形式はフロアレバー・タイプの機械式後2輪制動で、引きしろ調整は簡単に室内でおこなえる。
ききはじめ操作力は2.5kgと小さく、0.2G操作力も12kgと軽い。ラチェットによるブレーキ力保持も効率がよく、12.5kgの操作力で1/5勾配の坂道にじゅうぶん駐車できる。
5. 各部の操作力
チェンジレバーはフロアシフトで前進5段、後退1段、カチン、カチンとはいる感じで、操作力は1~3kg。リバースにはグリップをもちあげていれるが、リフトする力は6kgであった。
クラッチはダイヤフラム・スプリング式の油圧作動。操作力は切るのに12kg、ミートには8.5kgとふつうである。
アクセル・ペダルはオルガン・タイプで、踏力は一定速で2kg、加速時が5kgくらいである。
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